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1992 年度 実績報告書

侵入性病原細菌(赤痢菌)の宿主細胞侵入機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 04454194
研究機関東京大学

研究代表者

笹川 千尋  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70114494)

研究分担者 福田 一郎  東京大学, 医科学研究所, 助手 (10242108)
戸辺 亨  東京大学, 医科学研究所, 助手 (70207596)
キーワード細胞侵入 / 赤痢菌 / ビルレンス / プラスミド / 下痢
研究概要

赤痢菌はヒト回腸上皮細胞へ自ら食作用を誘発し、これを介して細胞偵内へ侵入後、増殖・拡散を操り返し炎症を引き起こし最終的に血性下痢を惹起する。本研究に先立ち、我々は菌の細胞侵入と拡散に必須な機能が本菌の有する大プラスミド上の8つの遺伝子領域にコードされていることを明らかにした。そこで本研究ではこれらの成果を基盤にして、赤痢菌の上皮細胞侵入の分子機構を明らかにすることを目標に、本現象に係わる菌側の因子を以下3つの側面から解析することを計画した。(1)侵入性蛋白(IpaB,IpaC,IpaD)の生化学的解析、(2)侵入性蛋白の菌体外分泌機構の解析、(3)侵入性蛋白遺伝子(ipaBCD)発現調節機構の解析。(1)に関連して本年度は各Ipa蛋白精製の為、組換えDNAの手法を用いて大腸菌K-12株の高Ipa発現系の作製を実施した。具体的には各ipaB、ipaC ipaDの遺伝子をtacプロモーターに連結したプラスミド三種類を作り、IPTG添加によるIpa蛋白の産生増加を試みた。この結果いずれもIPTG添加による該蛋白の産主の増加が認められ、現在蛋白精製の条件検討を行っている。(2)に関して、大プラスミド上のビルレンス領域5の遺伝子解析を実施した。具体的には本領域を含む7824塩基対の配列を決定し、11ケの遺伝子が存在していた。現在この11ケの遺伝子のいずれがビルレンスに関与しているかを、主に遺伝学的手法を用いて解析している。(3)に関して侵入性蛋白遺伝子の発現調節を直接行っている大プラスミド上のvirB遺伝子の転写調節機構の解析を実施した。具体的にはvirBのプロモーター領域を決定し、さらに本転写活性に係わる上流のDNA領域を主に欠矢変異株を作製し解析した。その結果転写開始点はvirBの構造遺伝子の5'末端から54塩基対にあり、そこから110塩基対上流が転写に必須であった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] N.Nakata: "Identification and characterization of virk,a virulenceassociated large plasmid gene essential for intercellular spreading of Shigella flexneri." Mol.Microbiol.6. 2389-2395 (1992)

  • [文献書誌] T.Tobe: "VirB,a noel chromosomal gene regulating expression of the virulence genes on the large plasmid of Shigella flexneri." J.Bacteriol.174. 6359-6367 (1992)

  • [文献書誌] C.Sasakawa: "The large plasmid of Shigella Curr.Topics microbiol Immunol" P.J.Sansonetti(Springer-Verlag), 23 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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