研究課題/領域番号 |
04454203
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
飛田 清毅 自治医科大学, 医学部, 教授 (00077174)
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研究分担者 |
小田切 孝人 自治医科大学, 医学部, 講師 (80177237)
田中 利典 自治医科大学, 医学部, 講師 (30146154)
田代 真人 自治医科大学, 医学部, 助教授 (90111343)
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キーワード | インフルエンザウイルス / 潜伏感染 / ウイルス遺伝子 / PCR / 競合的PCR |
研究概要 |
インフルエンザウイルスA/WNSから、MDBK細胞に対する破壊能の弱い変異株AWBY-140を分離、これのMDBK細胞への多重感染と、生き残つた細胞の継代を反復することによって、MDBK-RR細胞株を樹立した。細胞からは、ウイルの排出は認められなかった。この細胞を用いてインフルエンザウイルスの潜伏感染を研究し、次の点を明らかにした。 1.MDBK-RR細胞からRNAを抽出、インフルエンザウイルスRNAの3'端に共通の基配列をもつ合成オリゴデオキシヌクレオチドをプライマーとしてDNAに変換、ついでインフルエンザウイルスの各遺伝子に特異的な合成プライマーを用いたPCRによって塩基配列の増幅をはかったところ、8種の遺伝子のすべてが検出された。このことは、細胞内にウイルス遺伝子のすべて存在していたことを証明するものである。 2.細胞内には、ウイルスRNA以外に、これと相補的なcRNA,mRNAも検出された。 3.細胞内にあるMおよびNS遺伝子は、全長にわたって欠損がないことを明らかにした。但し、これらの遺伝子のいくつかのクローンについて、その塩基配を調べたところ、さまざまの部位に点変異をおこしていた。 4.細胞内に存続しているウイルス遺伝子のコピー数を、競合的PCR法によつて定量したところ、細胞2-6個あたり1コピーという値がえられた。この値は、細胞継代数の増加によって変らなかった。細胞内にmRNA,cRNAの両方とも検出されたという上記の所見とあわせて、細胞内のウイルス遺伝子は、増幅しながら潜伏しているものと思われる。
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