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1993 年度 実績報告書

In vitro 実験系の開発による自己反応性T細胞クローンの選択的分化機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 04454213
研究機関東海大学

研究代表者

垣生 園子  東海大学, 医学部・生体防御機構系免疫, 教授 (30051618)

研究分担者 勝木 元也  九州大学, 医学部・分子生物, 教授 (20051732)
佐藤 健人  東海大学, 医学部・生体防御機構系免疫, 助手 (50235363)
西村 孝司  東海大学, 医学部・生体防御機構系免疫, 助教授 (30143001)
キーワード細胞抗原レセプター / トランスジェニックスマウス / positive selection / negataive selection / 胸腺ストローマ細胞 / T細胞クローン
研究概要

(1)胸腺内分化過程におけるT細胞クローン選別の機構を解析する系を目指して、昨年度樹立したI-A^d拘束性T細胞抗原レセプター(TCR)トランスジェニックスマウス(Tg)から遺伝的背景の異なる系統を作製した。すなわち、I-A^d背景のマウス(MHC拘束性)とI-A^b背景のマウス(非拘束性)を戻し交配により作製した。また、完全なT細胞モノクローンマウスを目指し、RAG-2遺伝子欠損マウスと交配して子孫を得た。I-A^dマウス胸腺では、CD4^+CD8^+(DP)及びCD4^+細胞が大部分を占めていたが、I-A^bマウスではDP細胞が主体で、RAG-2欠如マウスではDP細胞のみとなり、in vivoでCD4^+細胞が選択的に分化していることが示された。
上記マウスの胸腺細胞を用い、in vitroの系でpositive selectionの誘導を試みた。【.encircled1.】I-A^d及びI-A^bマウス由来のDP胸腺細胞をリンパ球辞去胎仔胸腺と培養すると、I-A^d由来胎仔胸腺内でCD4^+細胞が分化誘導されたが、I-A^b由来の場合はCD4^+細胞は出現しなかった。即ち、DPの段階まではTCRからのシグナル無しで胸腺細胞は分化し、その後新たに対応するMHC分子との相互作用によりTCRからシグナルが入るとCD4^+細胞へ分化が誘導されることが示された。【.encircled2.】TgマウスのDP胸腺細胞は、樹立した胸腺ストローマ細胞株及びB細胞株(I-A^<d+>)のmonolayer上での培養ではCD4^+細胞に分化しなかった。以上、本年度は胎仔胸腺葉を用いて、in vitroに於けるpositive selection誘導の系を確立した。
胸腺外に存在する自己抗原に反応するT細胞の動態を、OVA-TCR-Tgマウスの腹腔にOVAを投与して検索した。その結果、投与後、6〜12時間で、胸腺皮質内にapoptosisの形態像がcluster状に認められた。flow cytometryの解析によりそれら死滅減少した細胞はDP細胞であることが確認された。即ち、胸腺外に存在する可溶性自己抗原に反応するT細胞クローンも胸腺内でnegative selectionを受ける可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] K.Hozumi,A.Kobori,T.Sato,H.Nozaki,S.Nishikawa,T.Nishimura and S.Habu: "Pro-T cells in fetal thymus express c-kit and RAG-2 but lack TCR-gene re-arrangement" Eur.J.Immunol.(In press). (1994)

  • [文献書誌] T.Sato,T.Sasahara,Y.Nakamura,T.Osaki,T.Takakuma,Y.Arata,Y,Kumagai,M.Kastuki and S.Habu: "Naive T cells can mediate delayed-type hypersentitivity(DTH)response in transgenic mice" Eur.J.Immunol.(In press). (1994)

  • [文献書誌] M.Akiyama,M.Yokoyama,M.Kastuki,S.Habu,and T.Nishimura: "Lymphocyte infiltration of the skin in transgenic mice carrying the human interleukin-2 gene" Arch Dermatol.Res.285. 379-384 (1993)

  • [文献書誌] H.Tamauchi,T.Sasahara and S.Habu,: "CD4^+CD8^+cells lacking self-MIs reactiove T cells are induced in mesentric lymph nodes of Salmonella enteritidis infected mice." Immunol.Letters.8. 123-130 (1993)

  • [文献書誌] B.C.Sydora,S.Habu and M.Taniguchi.: "Intestinal intraepithelial lympocytes preferetially repopulate the intestial epithelium" Int.Immunol.5. 743-751 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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