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1992 年度 実績報告書

発癌性複素環状アミンによる大気汚染と発生源の解明

研究課題

研究課題/領域番号 04454215
研究機関東京大学

研究代表者

真鍋 重夫  東京大学, 医学部(医), 助教授 (90165928)

研究分担者 長橋 捷  東京大学, 医学部(医), 助手 (90009994)
キーワード発癌物質 / 複素環状アミン / 大気粉じん / 大気汚染 / ディーゼル排ガス / タバコ煙
研究概要

大気中の発癌性複素環状アミンを経年的に追跡すると共に、自動車排ガスやタバコ煙等の中の発癌性複素環状アミンの存在とタバコ煙中の発癌性複素環状アミンによる室内空気汚染の可能性を検討した。大気中の発癌性複素環状アミン3種について経年的に追跡した結果、冬期にこれら発癌物質濃度が高くなり、夏期に低下することが明らかとなった。特に11月頃から3種の発癌物質の大気濃度が上昇し、4月頃から低下することは、冬期の暖房等のために用いられる燃焼器具による発生を示唆している。この点を更に明らかとするために、自動車排ガス、タバコ煙、ゴミ焼却場の排煙について、3種の発癌性複素環状アミンの存在を検討し、いずれの試料にもこれら発癌物質が存在していることを見い出した。更に、タバコ煙をモデルとして、物質の燃焼過程でこうした発癌物質を生ずるかどうかを検討し、タバコの燃焼前には存在せず、燃焼後にこれらの発癌物質が認められることを明らかとした。これらの結果は、これらの発癌物質が燃焼過程で生ずることを支持していると考えられる。また、タバコ煙がこれらの発癌物質の室内空気汚染を生ずるかどうかを自動喫煙器を用いて検討し、シガレット1本でこれらの発癌物質の室内空気中レベルが十倍以上に増加することを証明した。また、ディーゼル排ガス中には比較的高いレベルの発癌性複素環状アミンを検出したが、ガソリン車の排ガス中レベルは検出限界以下であった。一方、ゴミ燃焼場の排ガス中には、極めて低レべルしか存在していなかった。以上の結果より、発癌性複素環状アミンは物質の燃焼過程で生ずるものと考えられ、大気中の発癌性複素環状アミンの主要な発生源の1つは、ディーゼル排ガスであると考えられる。なお、これらの発癌物質の発生機序は、現在検討中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Manabe,S.et al.: "Occurrence of carcinogenic amino-a-carbolines in some environmental samples" Environ.Pollut.75. 301-305 (1992)

  • [文献書誌] Manabe,S.et al.: "Formation of PhIP in a mixture of creatinine,phenylalanine and sugar or aldehyde by aqueous heating." Carcinogenesis. 13. 827-830 (1992)

  • [文献書誌] Manabe,S.et al.: "Elevation of levels of carcinogenic tryptophan pyrolysis products in plasma and red blood cells of patients with uremia." Clin.Nephrol.37. 28-32 (1992)

  • [文献書誌] Manabe,S.et al.: "Detection of a carcinogen,PhIP in airborne particles and diesel-exhaust particles." Environ.Pollut.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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