研究課題/領域番号 |
04454227
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
山村 行夫 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40081658)
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研究分担者 |
高橋 啓子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90197137)
山内 博 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90081661)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | トリメチルアルシン / トリエチルアルシン / トリスジメチルアミノアルシン / 半導体 / 急性毒性 / 慢性毒性 / 生物学的モニタリング / 溶血毒 |
研究概要 |
Trimethylarsine(TMAs)、Triethylarsine(TEAs)、Trisdimethylaminoarsine(TDAAs)の代謝について動物実験により次の結果を得た: (1)Trimethylarsine(TMAs)は体内でTrimethylarsine Oxide(TMAO)に酸化され、主に尿中に排泄される。 (2)Triethylarsine(TEAs)は脱エチル化されDiethylarsine(DEAs)、そして無機ヒ素にまで分解し、尿中に排泄される。 (3)Trisdimethylaminoarsine(TDAAs)はまず加水分解により無機ヒ素とジエチルアミンを生成し、ついで無機ヒ素はメチル化されてdimethylated arsenicに変換して尿中に排泄される。 次に、上記の三形態のアルキルアルシンについて溶血性を赤血球膜浸透圧抵抗試験(CPC試験)により検討した。 (1)TMAsとTDAAsはLD_<50>量の1回皮下投与により軽度の溶血を認めた。しかし、TEAsに溶血性は認められなかった。 (2)亜急性試験(LD_<50>量の1/10量を10日間連続投与)ではいずれにも溶血性は認められなかった。 (3)TMAsとTDAAsの溶血が一過性で軽度な原因としてアルキルアルシンとしての作用時間が比較的短く、TMAsはTMAO、TDAAsは無機ヒ素に代謝されることが大きく寄与していた。 本研究から、アルキルアルシンの毒性は代謝物に強く左右され、アルシンに比較して生体影響の少ない物質であることが示唆された。
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