研究課題/領域番号 |
04454236
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
関川 巌 順天堂大学, 医学部, 助手 (80179332)
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研究分担者 |
菱川 隆史 順天堂大学, 医学部, 助手 (60189785)
高崎 芳成 順天堂大学, 医学部, 講師 (80154772)
広瀬 俊一 順天堂大学, 医学部, 教授 (70010147)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | SLE / retrovirus / syncytia formation |
研究概要 |
間質性肺炎を伴い抗DNA抗体など種々の自己抗体を持つヒト全身性エリテマトーデス(SLE)患者の肺細胞中にレトロウイルス粒子を見いだしその解析を行った。このウイルスの特性を以下にまとめた。 1)本ウイルスは、肺細胞に感染し合胞体形成を行う。 2)本ウイルス感染肺細胞、ヒト細胞株Hela,U937培養上清中にはレトロウイルスの存在を示唆する逆転写酵素(RT)活性が見いだされた。RT活性はウイルス粒子の存在分画に一致して高値を示した。 3)電顕的に、本ウイルス感染肺細胞及びHela細胞よりC型レトロウイルス粒子が見いだされた。 4)本ウイルス感染U937細胞に対し、蛍光抗体法にて患者血清は抗体活性を有し、患者血清中には、本ウイルスに対する抗体の存在することが示唆された。 5)本ウイルスは蛍光抗体法及びPCR法にて、HTLV-1、2、HIV-1、2、HFVなど既知のヒト型レトロウイルスとは異なることが示唆された。 以前より、SLEの病因のひとつとして、レトロウイルスの関与が示唆されており、またHIV感染者の一部に自己免疫病類似の臨床像を呈することから、レトロウイルスと自己免疫病の関係が注目されている。 本ウイルスが、SLEの病態形成にどのように関与しているか現在までのところ不明であるが、他のSLE患者の一部にも本ウイルスに対する抗体の存在している可能性も示唆されており、注目される。 現在、本ウイルスのクローニング、及び免疫不全に及ぼす影響を検討中である。
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