研究課題/領域番号 |
04454243
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 紀夫 大阪大学, 医学部, 講師 (00144478)
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研究分担者 |
三田 英治 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
竹原 徹郎 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
片山 和宏 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
笠原 彰紀 大阪大学, 医学部, 助手 (70214286)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / モノクローナル抗体 / "in situ"hybridization / C型慢性肝炎 / 肝癌 / HCV RNA / HCV抗原 / RT-PCR法 |
研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)感染患者における発癌機構を解明するためにHCVgenomeならびにHCV関連蛋白の肝組織内局在、肝細胞内局在を"in situ"hybridization法あるいは免疫組織学的手法を用いて検討した。免疫組織学的手法によるHCV感染細胞の検出は、C型慢性肝疾患48例を対象とし、酵素抗体間接法(ABC法)を用いた免疫染色により行った。一次抗体は、HCV genomeのcore領域およびNS3領域より発現させた大腸菌由来のrecombinant蛋白とenvelope領域をコードする16アミノ酸よりなる合成ペプチドをマウスに免疫して得られたモノクローナル抗体を用いた。core抗体、envelope抗体、NS3抗体による免疫組織染色により、各々48例中11例(23%)、45例中11例(24%)および46例中11例(24%)にHCV抗原陽性細胞を認めた。陽性細胞はいずれの染色でも小葉内に散在して認められ、陽性染色像は細胞質に顆粒状に認められた。"in situ"hybridization法によるHCV RNAの検出は、C型慢性肝炎33例を対象とし、5'-noncoding region及びcore regionに相当する3種類の合成プローベを用いて検討した。免疫組織による結果と同様、陽性細胞は肝小葉内に散在し、陽性シグナルは肝細胞の細胞質内に検出された。陽性細胞は33例中15例(45%)に認められた。以上のようにC型慢性肝炎においてはHCVgenomeならびにHCV関連蛋白は肝細胞質に認められ核内には検出されず、また感染肝細胞数は非常に少ないことが明らかとなった。また肝癌症例5例に対し免疫染色を行ったが、いずれの抗体を用いても陽性像は認められなかった。"in situ"hybridization法により確認の予定であるが、今後症例を増やして検討したい。
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