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1993 年度 実績報告書

肝細胞により胆汁中への物質膜輸送の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04454247
研究機関近畿大学

研究代表者

山本 俊夫  近畿大学, 医学部, 教授 (50088522)

研究分担者 足立 幸彦  近畿大学, 医学部, 助教授 (50111026)
キーワード胆汁排泄 / ATP / 有機陰イオン / 黄疸 / 高ビリルビン血症 / 胆汁酸 / Dubin-Johnson症候群 / プラバスタチン
研究概要

1.正常SDラット、先天黄疸ラット(エ-ザイ・ビリルビン尿ラット、FHBR)を用いて、細胆管側肝細胞膜ベジクツ(CMV)を分離精製した。CMVは、細胆管側肝細胞膜に存在するMg-ATPase,alkaline phosphataseの活性が高く保持され、高純度であった。
2.有機陰イオンのモデルである[^<14>C]PSがSDらっとの胆汁中には排泄されるが、EHBR胆汁中には排泄が極めて遅延することを見出だした。
3.[^<14>C]PSのCMVへの摂取は、SDラットのCMVへ、ATP依存性に摂取され、ATP、PSのどちらに対しても、濃度依存性に増加し飽和した。ATP以外のヌクレオチドは摂取に影響しなかった。従って、PSは細胆管側肝細胞膜をATP依存性一次性能動輸送される事が証明された。ATP依存性PS輸送は、ICでは抑制されず、非胆汁酸有機陰イオンのglutathione disulfide、glutathione、セフピラミドによる抑制は少なかった。EHBRのCMVを用いた観察でも、このATP依存性のPS輸送は認められSDラットCMVと差を認めなかった。
4.以上から、黄疸ラットにおいて、細胆管膜において欠損が指摘されているATP依存性の有機陰イオン移送機構の存在は、確認できず、黄疸発症要因について、更に検討が必要となる事が明らかとなった。特にEHBRにおいて観察されたATP依存性の細胆管膜輸送は、従来の世界における報告と対立しており、新種の輸送機構の発見である可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 奥山佳史、足立幸彦、北野元一他: "HMG-CoA還元酵素阻害剤プラバスタチンのラット肝細胞膜ならびにヒト赤血球膜における輸送機序について" 薬理と治療. 22(Suppl). 13-18 (1993)

  • [文献書誌] 足立幸彦、北野元一、小林宏明他: "ビリルビンの輸送、代謝" 胆と膵. 14. 711-716 (1993)

  • [文献書誌] 足立幸彦、小林宏明、庄子実香他: "21世紀を目指し羽ばたく消化器病学" ビリルビン・ジグルクロナイド(BDG)、タウロコ-ル酸(TC)、その他の有機陰イオン(OA)の毛細胆管への排泄機序, (1993)

  • [文献書誌] 足立幸彦、小林宏明、胡本化良章他: "箱根シンポジウム 5" ビリルビンと胆汁酸の胆汁分泌機序について, (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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