研究課題/領域番号 |
04454250
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 幸治 東京大学, 医学部(病), 教授 (10008310)
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研究分担者 |
高石 敏昭 東京大学, 医学部(病), 助手 (40154736)
平井 浩一 東京大学, 医学部(病), 助手 (10156630)
須甲 松信 東京大学, 医学部(病), 講師 (80107622)
奥平 博一 東京大学, 医学部(病), 講師 (30106645)
森田 寛 東京大学, 医学部(病), 助教授 (60107620)
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キーワード | T細胞 / T cell clone / インターロイキン5 / 気管支喘息 / アレルゲン / Der f II |
研究概要 |
気管支喘息は、好酸球性の慢性炎症性疾患であると理解される。その病態を解明するうえで、T細胞は免疫反応の抗原特異性を司る点、および好酸球特異的な増殖因子、活性化因子であるInterleukin-5(IL-5)を産生する点から、その役割を重視せざるを得ない。気管支喘息におけるT細胞の役割を詳細に検討する目的で、アトピー型気管支喘息患者よりダニ抗原を認識し、IL-5産生を行うT細胞クローンを樹立した。またmajor allergenであるDer f IIに対するT細胞クローンは、自己のEB virus transformed cell lineを抗原提示細胞(APC)として、Der f IIを抗原として刺激を行うと、抗原特異的に増殖し、かつIL-5産生を行った。デキサメサゾン、免疫抑制剤FK506は、用量依存的にIL-5産生およびIL-5遺伝子発現を抑制した。抗原刺激のかわりに、ホルボールエステルおよびカルシウムイオノフォアの二者の刺激にてIL-5の産生が誘導された。以上より、IL-5遺伝子活性には細胞内カルシウムの上昇とプロテインキナーゼC活性化に引き続く転写因子AP-1,NF-ATが必須であることが示唆された。これらのT細胞クローンは喘息治療薬開発のモデルシステムとしても有用であると期待される。さらにIgE抗体を認めない内因性気管支喘息患者のうち、ダニ抗原特異的T細胞増殖反応を示すドナーより、T細胞クローン樹立を目的として、APCとして用いるEB virus transformed cell lineを樹立した。
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