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1992 年度 実績報告書

筋緊張性ジストロフィー症の原因遺伝子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04454255
研究機関大阪大学

研究代表者

三木 哲郎  大阪大学, 医学部, 講師 (00174003)

研究分担者 名倉 潤  大阪大学, 医学部附属病院, 医員
キーワード筋緊張性ジストロフィー症 / 遺伝子解析 / 遺伝病
研究概要

筋緊張性ジストロフィー症(以下DM)は、常染色体優性の形式で遺伝し、全身の臓器が障害される難病で、成人の筋ジストロフィー症の中では最も頻度の高い疾患である。1992年初めに欧米のグループによって、DMの発症原因と考えられる(CTG)n繰り返し配列を3^7非翻訳部にもつcDNAが単離された。本研究では、日本人DM患者におけるこの(CTG)n繰り返し配列を含む不安定領域の遺伝子解析を行った。
健常人とDM家系の構成員の高分子量DNAを制限酵素で消化後、DMの原因遺伝子と考えられるcDNA25とサザンハイブリダイゼーションを行った。また(CTG)n繰り返し配列の回数と長さは、PCRを利用して決定した。さらに、以前から解析していたDM座位に近接する多型性遺伝子マーカーとの間の連鎖不平衡の有無を調べた。サザンハイブリダイゼーションでは、DM患者において数100bpから6kbまでの遺伝子の拡張が証明された。重症患者と若年発症患者において、長さの増加は著明であった。また、世代を経るにつれて長さが増大する傾向にあった。これは、これまで確認されている表現促進の臨床症状と一致した。(CTG)n繰り返し配列は、健常人では5回から35回の繰り返しであったのに対し、患者ではPCR産物は一本のバンドしか検出できず、50回以上の繰り返しバンドは検出できなかった。健常人の(CTG)n繰り返しの回数は多型に富み、日本人では13回の繰り返しが、白人では5回の繰り返しの頻度が最も多く、遺伝子頻度において両民族間に統計学的な有意差が存在した。cDNA25から20-30kb動原体側に離れたDNAマーカーであるP37.1が、DM遺伝子と強い連鎖不平衡を示すことや、解析したDM家系全例において、(CTG)n繰り返し配列の拡張がEcoRI消化の9.8kbの対立遺伝子に発生することより、本邦のDM患者は共通の祖先をもつ可能性があると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yamagata H,: "Expansion of an Unstable DNA region in Japanese myotonic dystrophy patients" Lancet. 339. 692-692 (1992)

  • [文献書誌] Davies J.: "Comparison of the myotonic dystrophy associated CTG repeat in European and Japanese populations" Journal of Medicul Genetics. 29. 766-769 (1992)

  • [文献書誌] 山縣 英久: "筋緊張性ジストロフィー症のDNA診断" 医学のあゆみ. 161. 947-948 (1992)

  • [文献書誌] 山縣 英久: "モダンコンセプト神経内科" 医学書院, 181 (1992)

  • [文献書誌] 山縣 英久: "臨床遺伝医学III" 診断と治療社, 643 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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