研究課題
本研究は、ヒト大脳および骨格筋のcDNAライブラリーからジストロフィン関連遺伝子を単離し(クローニング)、神経・筋疾患の病因関連遺伝子の同定を目指すものであるが、今年度は(1)ジストロフィン関連遺伝子の単離を、ヒト胎児大脳と骨格筋のcDNAライブラリー(λgt10)から行った。そのためにファージのtiter測定、ファージDNAの調製等を実施した。(2)ジストロフィン関連遺伝子(スペクトリン・スーパーファミリー)の増幅は、まずdegenerate-PCRにより実施した。この目的に用いるdegenerateプライマーは、ジストロフィン、スペクトリン、d-アクチニンで共通に保存されている(conserved sequence)N末端側のアミノサン配列(KTFTK/AW)よりデザインした。もう一方のプライマーはファージアームを用いた。さらに(3)サブクローニングには、得られたDNAを各種の制限酵素(EcoRI、NotI、Sall等)で処理した後pBSIISK+プラスミドベクターにligationした後、これをTB-1にトランスフェクトし(形質転換)た。そして目的のプラスミドが入ったコロニーはX-Gal/IPTG selectionで選抜し、アガロース電気泳動でインサートを確認した。引き続き(4)プラスミドミニプレップの後、得られた全てのクローンについてそれらのシークエンスを行い、各々の塩基配列を検討した。さらに、コンピューター解析を実施している(GenBank、GenEmbl)。今後、ノーザンブロッティング解析により、細胞で発現しているmRNAの解析や、単離されたジストロフィン関連遺伝子のコードする遺伝子産物の情報を得る為に、融合タンパクに対する特異抗体を調製する予定である。
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