研究課題/領域番号 |
04454266
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横山 光宏 神戸大学, 医学部, 教授 (40135794)
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研究分担者 |
末松 正邦 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (90240853)
川嶋 成乃亮 神戸大学, 医学部, 助手 (10177678)
川原 康洋 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (80169755)
石川 雄一 神戸大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90159707)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 内皮由来血管弛緩因子 / 低比重リポ蛋白質 / 高比重リポ蛋白質 / NO合成酵素 / プロテインキナーゼC / リゾホスファチジルコリン / 細胞内Ca^<2+>濃度 |
研究概要 |
1.内皮細胞NO合成酵素(NOS)と精製とその活性調節機構 ウシ大動脈培養内皮細胞(BAEC)よりNOSを単離、精製した。BAECのconstitutive NOSは膜画分に存在し、その結合にはミリスチン酸が必要であった。ミリスチン酸が結合しない変異NOS遺伝子をCOS-7細胞に導入すると、NOSは細胞膜から細胞質へと移行した。さらに、その際、NOの細胞外への遊離は約30%減少した。NOSのmRNAはBAECにおいてconstitutiveに発現しているが、インターフェロンα/βでその発現は亢進し、TNF-αで抑制される。脂質に関しては酸化LDL及びリゾホスファチジルコリン(LPC)によって、NOS mRNAの発現が亢進することを明らかにした。タン白質レベルでは内皮細胞NOSはプロテインキナーゼC(PKC)及びプロテインキナーゼAによってリン酸化され、その活性はPKCによって抑制されることを解明した。またNOS活性はリゾホスファチジルコリン、ホスファチジルコリンなどのリン脂質により3倍に亢進した。したがって、酸化LDL中のリゾホスファチジルコリンは血管内皮細胞において、NOSに直接作用するのではなく、NOSを活性化するのに必要な受容体刺激による細胞内Ca^<2+>の上昇を抑制することにより、NOの産生を抑制することを明らかにした。 2.平滑筋細胞における誘導型NOSの調節機構 ラット大動脈培養平滑筋細胞では、無刺激の状態ではNOSは存在せず、インターフェロンγやインターリューキン1、LPSなどのサイトカインの刺激によって誘導型NOSのmRNAが発現し、NO産生が増加することを明らかにした。またこれらのサイトカインによるNOSの発現に、cAMPを介するシグナル伝達が相乗作用を示すことを明らかにした。
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