1.KV1.5遺伝子のcAMPによる発現調節 平成4年度研究実績報告書ではKV1.5遺伝子はプロモーターに存在するcAMP応答領域(CRE)を介して転写調節を受けることを報告した。その後我々はゲル移動度シフト法によりCREはCRE結合蛋白と結合する事を明らかにした。CRE内に2ケ所muta‐tionを作製するとゲル移動度シフト法においてシフトするバンドは消失し、この事はKV1.5遺伝子はCREを通して転写調節を受けることを示唆していた。 2.心肥大でのKV1.4、KV1.5遺伝子の発現調節 心筋ではK^+チャネル遺伝子より発現されるmRNA量は極少量であるのでreverse‐transcription PCR法を用いてmRNAの定量化を行なった。心肥大モデルとしては自然発症高血圧ラット、腎血管性高血圧ラットを用いた。肥大の伸展に伴ないKV1.5mRNA量は劇的に減少した。一方、KV1.4mRNA量は有意に増加した。KV1.5遺伝子の発現低下は心肥大時の活動電位再分極相の延長を規定する重要な原因の1つと考えられた。
|