研究課題/領域番号 |
04454273
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
中村 元臣 中村学園大学, 大学院・栄養科学研究科, 教授 (60037322)
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研究分担者 |
阿部 志麿子 中村学園大学, 家政学部, 助手 (60192994)
原 孝之 中村学園大学, 家政学部, 助教授 (10164998)
青峰 正裕 中村学園大学, 家政学部, 教授 (60091261)
谷口 巳佐子 中村学園大学, 家政学部, 教授 (70069764)
藤田 守 中村学園大学, 家政学部, 教授 (60037471)
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キーワード | 動脈硬化 / 動脈血栓 / WHHL / 高脂血症 / 心筋梗塞 / 冠細小動脈硬化 / ヘビ毒 |
研究概要 |
目的:動脈効果の存在下に心筋梗塞を起こす動物モデルを開発し、梗塞の発生機序を明らかにするために以下の研究を行った。 方法:ヒトの動脈硬化に近似した病変を起こすとされている間歇的高脂血症を12カ月起こした家兎30羽(IHL-12)と、遺伝性高脂血症家兎(WHHL;平均月齢17カ月)24羽、持続性高脂血症を8カ月起こした家兎24羽(CHL-8)の3種類の高脂血症家兎を用いた。対照として正常家兎10羽を用いた。動脈血栓を誘発するために、ラッセルヘビ毒150mug/kg体重の腹腔内投与に、急激な昇圧や降圧を起こさせる操作を2日間繰り返した後、屠殺した。血清と大動脈の総コレステロール濃度を測定し、大動脈、心臓、腎、肺を中心に組織学的検索を行った。動脈硬化部については、マクロファージと平滑筋の抗体を用いて各々の細胞の分布と血栓との関係を検討した。 結果:(血清総コレステロール濃度)x(飼育月数)をコレステロールスコア(CS)として計算した。CSは、IHL-12では平均10802とWHHLの7984、CHL-8の5622のいづれよりも有意に高値であった。しかし大動脈の内膜表面に占める病変の広がりには三群間で有意差を認めなかった。内膜肥厚度はWHHLで有意に高度であるが内膜石灰化度はIHL-12、CHL-8で各々WHHLより高度であった。大動脈の血栓発生頻度は三群間で有意差を認めなかったが、正常家兎では大動脈・冠動脈に血栓の発生を全く認めなかった。冠動脈の硬化病変はWHHLで中枢側の太い冠動脈に、IHL-12とCHL-8では末梢細動脈により高頻度にかつ高度に起こることが判明したが、冠動脈硬化巣には血栓を認めなかった。急性心筋壊死を散在性に認めたが、その発生機序については今後検討する予定である。大動脈血栓発生部位ではマクロファージの集団を認める傾向がある。 反省:動脈硬化の存在が動脈の血栓形成に必要であるが、いかなる要因で大動脈の特定部位に血栓が好発するのか今後の検討が必要である。冠細小動脈に高度病変を作り得たが血栓を認めず急性心筋壊死の発生機序について今後検討する必要がある。
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