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1994 年度 実績報告書

小児がん発生の高危険体質の分子遺伝学的解析とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 04454276
研究機関東京大学

研究代表者

別所 文雄  東京大学, 医学部(病), 助教授 (40010285)

研究分担者 平井 久丸  東京大学, 医学部(病), 講師 (90181130)
鴨下 重彦  東京大学, 医学部(病), 教授 (60048973)
林 泰秀  東京大学, 医学部(病), 講師 (30238133)
キーワード腫瘍抑制遺伝子 / p53遺伝子 / p16遺伝子 / Rb遺伝子 / DCC遺伝子 / DAN遺伝子 / 神経芽腫 / homozygous deletion
研究概要

本年度は、近年注目されているp16遺伝子にていての検索を行い、また前年度に引き続きRb遺伝子、DCCおよびDAN遺伝子についての検索も併せ行った。p16遺伝子に関しては、T-ALL細胞下部18株と30例からの新鮮細胞について、Southem法ならびにSSCP法によって検索した。その結果、細胞株10株中6株に、16例の新鮮細胞中6例にSouthem法でhomozygous deletionが認められ、細胞株2株と新鮮細胞1例にSSCPで点突然変異が認められた。この結果、p16遺伝子もp53遺伝子同様T-ALLの発癌過程ないし進展に関与していることが考えられた。Rb遺伝子に関しては、神経芽腫4株、PNET2株、横紋筋肉腫1株、ユ-イング肉腫1株、T-ALL 10株、AMoL 4株、Ph1陽性ALL 2株、非ホジキンリンパ腫 1株について検索したところ、PNET 1株、T-ALL 3株、AMoL 1株にhomozygous deletionまたは変異が認められた。DCC遺伝子とDAN遺伝子に関しては、神経芽腫13株、横紋筋肉腫1株、白血病7株についてPCR法による検索を行った。DCC遺伝子は、神経芽腫3株、横紋筋肉腫1株、白血病3株で、DAN遺伝子は、神経芽腫1株、白血病1株で発現が認められなかった。これらの結果から、これらの腫瘍抑制遺伝子が、発癌過程ないしは少なくともがんの進展に関係していることが推測された。今後これらの腫瘍抑制遺伝子のhomozygous deletionの新鮮腫瘍での頻度、heterozygous deletionの一般人口中での頻度並びに担腫瘍患者の体細胞での頻度などを明らかにすることが必要であると思われた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 小林茂俊,他: "mRNA検出による小児悪性腫瘍におけるtyrosine hydroxylase発現の検討" 医学のあゆみ. 165. 911-912 (1993)

  • [文献書誌] 林泰秀,他: "Tyrosine hydroxy lase mRNAとt(11;22)-キメラmRNAを用いた神経芽腫とEwing肉腫の「遺伝子診断" 小児がん. 30. 337-340 (1993)

  • [文献書誌] 林泰秀,他: "小児急性リンパ性白血病におけるELA遺伝子の検討" 臨床血液. 35. 9-13 (1994)

  • [文献書誌] 井田孔明,他: "t(11;22)の切断点近傍遺伝子を用いたRT-PCR法によるEwing肉腫およびPNETの診断" 小児がん. 31. 45-48 (1994)

  • [文献書誌] 林泰秀,他: "p53遺伝子の点突然変異とN-myc遺伝子の増幅がみられた神経芽腫" 小児がん. 31. 329-332 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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