研究課題/領域番号 |
04454281
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
堺 春美 東海大学, 医学部, 助教授 (00102830)
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研究分担者 |
林 秀樹 東海大学, 医学部, 助手 (30189659)
満田 るみ 東海大学, 医学部, 助手 (60209806)
太田 和代 東海大学, 医学部, 助手 (00214122)
木村 三生夫 東海大学, 医学部, 名誉教授 (80055657)
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キーワード | 百日咳 / DPTワクチン / 改良百日咳ワクチン / ELISA / 血清抗体 / ワクチンの有効性 / Acellular Pertussis Vaccine / 呼吸器感染症 |
研究概要 |
百日咳は、小児の重篤な呼吸器感染症である。 わが国においては、1981年に改良百日咳ワクチン(Acellular Pertussis Vaccine)導入以来、小児の百日咳は著しく減少してきている。しかし、DPTワクチンの接種開始年齢が最近まで、2歳であったことが影響して、2歳以下の乳幼児を中心に百日咳の地域的な流行が残っている状態である。このような背景を基に、本年度の研究は、国内の各地域の病医院における百日咳患者発生の状況を調査することと、患者周辺の流行状況、ならびに、同一家族内の発生状況を調査することを目的とした。また、百日咳患者については、詳細な臨床経過、検査所見、DPTワクチン接種歴の調査を行った。 全国から平成2年以来の百日咳患者症例430例の報告があった。それらの例の周辺では、小流行があるという報告があり、わが国における百日咳は、決して予断を許さない状況にあることが明らかとなった。また、患者のうち1回-4回のDPワクチン接種歴があったのは、430例中わずかに12例であり、残りの418例は、ワクチンを受けていない児であった。このことは、わが国の百日咳ワクチンが非常に優秀なワクチンであることを証明している。また、製造所別の有効性の検討を試みたが、ワクチン接種歴のある患者が非常に少ないことから、現時点では、特に優劣をつけることができなかった。 百日咳ワクチンの効果のもう1つの評価法は、ワクチン接種後の血清抗体価の測定である。ポリスチレンボールを用いたELISA法(酵素抗体法)が非常に感度が高く再現性もある方法であることが明らかとなった。今年度の研究により、この方法で、わが国の百日咳ワクチンの抗原性の比較を行うことができる事が明らかとなった。
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