研究課題/領域番号 |
04454283
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
麦島 秀雄 日本大学, 医学部, 講師 (80183648)
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研究分担者 |
鈴木 孝 日本大学, 医学部, 助手
藤沢 孝人 日本大学, 医学部, 助手
鎌田 力三郎 日本大学, 医学部, 教授 (00058835)
岩田 光正 日本大学, 医学部, 講師 (60160123)
岡部 郁夫 日本大学, 医学部, 助教授 (20059017)
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キーワード | 進行性神経芽細胞腫 / 自家骨髄移植 / 14染色体欠損領域 / high affinity NGF / low affinity NGF / 予後 / HUS / 全身放射線照射 |
研究概要 |
(1)現在までに18施設から依頼された30症例の進行性NB(StageIII 2例、StageIV 28例に対しM.I.処理自家骨髄移植を導入した集学的治療を行った。(2)集学的治療の終了した8症例に再発が見られ、再発時期は1例を除き移植後6〜19か月であった。再発部位は骨および骨髄で今後の再発早期発見手段として骨に対しては放射線専門医が定期的に磁気共鳴画像を用い追跡した。しかし、骨髄に関しては、免疫染色を用いて末梢血細胞や骨髄細胞中にNBに対するMonoclonal抗体やN-myc Proteinをexpressする細胞の有無を検討したが、早期再発を予知する事は極めて困難であった。(3)RFLPを示す25個のプローブを用い14染色体上の欠損領域の検索を行ったところ、14q32.32〜32.33に30例中13例(43%)に欠失領域が存在した。病期に無関係に認められることから発癌の初期段階に欠失領域が関与している可能性が示唆された。 (4)腫瘍切除検体を用いChomczyski-Sacchi法によってtotal RNAを抽出しこのRNAを使用してNorthern Blottingを行ないNorthern filterを作成しlowおよびhigh affinity NGF receptorの発現について検索した。また、同時にN-mycの発現についても調べこの両遺伝子の発現との関係についても検討した。low affinity NGFの発現の有無はhigh affinity NGFの発現,N-mycの発現、病期、予後とも相関関係は認められなかった。一方 high affinity NGFの発現の有無はN-mycの発現、病期、予後とも相関関係を示した。N-mycが発現していない症例でもhigh affinity NGFの発現がないものは予後不良であった。(5)現在5症例に腎障害を有するHUSの合併が見られこの原因として全身放射線照射時の腎臓への被爆が最も示唆された。
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