研究課題/領域番号 |
04454293
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鈴木 宗治 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80013829)
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研究分担者 |
山崎 悦夫 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20220303)
山田 一郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (90182518)
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キーワード | 磁気共鳴イメージング(MRI) / MRI用造影剤 / Gd-DTPA / 染色体異常出現頻度 / 姉妹染色分体交換 |
研究概要 |
MRI用造影剤としてmeglumine gadopentetate(マグネビスト【○!R】)が既に市販されている。この造影剤は、4f穀内に7個の不対電子を有するGd^<3+>にDTPAを配位した2価の金属錯陰イオンのメグルミン塩である。その溶液は1940mOsm/kg(水)という高い浸透圧を有している。DTPAの2個のカルボキシル基を非電離基で置換した中性錯体(gadodiamide)の浸透圧はマグネビスト【○!R】の約2分の1程度に低下する。また配位子としてDTPAの代りにDOTAを利用し、その1個のカルボキシル基を非イオン基で置してもGdの中性錯体(Gd-HP-DO3A,gadoteridol)が得られる。 Gd^<3+>錯塩の中毒・副作用には溶液の浸透圧、キレート剤の種類とそのキレートの安定度など種々な因子が関与している。マグネビスト【○!R】の使用経験および現に行なわれている記述の2種のMRI用Gd造影剤の治験結果は、いずれも満足すべき臨床上の効用を認めた。 末梢血中の常磁性Gd造影剤が強大な磁場内に置かれた時、更にラジオ波を同時に照射した場合、末梢血中リンパ球の染色体にどのような変化が生ずるか調べた実験では下記のような結果が得られた。 姉妹染色分体交換(SCE)の頻度に及ぼす影響はGd-DTPAの臨床における使用量に相当する濃度では認められなかったが、同時に30分位にわたりラジオ波を照射したり、造影剤の濃度を100倍に上昇させるとSCEの頻度が有意に上昇することが明らかになった。染色体異常発現頻度に関する研究結果は山崎悦夫により「Effect of Gd-DTPA and/or magnetic field and radiofrequency exposure on sister chromatid exchange in human peripheral lymphocytes」としてActa Radiologica(34:1993:607-611)に発表されている。
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