研究課題/領域番号 |
04454295
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平岡 真寛 京都大学, 医学部, 助教授 (70173218)
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研究分担者 |
伊藤 公一 千葉大学, 工学部, 助教授 (90108225)
阿部 光幸 京都大学, 医学部, 教授 (00025587)
永田 靖 京都大学, 医学部, 助手 (10228033)
西村 恭昌 京都大学, 医学部, 講師 (00218207)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 癌治療 / 温熱治療 / マイクロ波 / 組織内加温 / アンテナ / 電磁波 / ファントム |
研究概要 |
マイクロ波組織内加温用同軸リングスロットアンテナを開発した。セミリジッドケーブルの外導体にリング状の放射スロットを配列したものであり、スロットの各種パラメータを調整させることにより、アンテナ長軸方向のエネルギー分布(SAR分布)を変化させることが可能である。アンテナ全体がテフロンで被覆され、直径は0.86mm、21ゲージのカテーテル内の挿入して用いる。 筋肉とほぼ等価な電気的特性を有する0.4%NaCl水溶液寒天ファントムを用いて本アンテナの加温特性を検討した。その結果、(1)アプリケータは直径0.86mmと十分に細く実用的である。(2)先端を短絡させることによりアプリケータの先端を超えた加温域が得られる。(3)数本のアンテナ素子を2-3cm間隔で平行に配列させたアレーアプリケータを使用することに、比較的均一で広範囲の高温度加温域を実現できる。以上のことが示されその有用性が明らかとなった。 家兎筋肉あるいは移植腫瘍を用いて生体内温度分布特性を検討した。生体内においてもアンテナに沿った高温度域が示され、その有用性が確認された。病理組織学的にも腫瘍の著明な凝固壊死が認められた。臨床に使用されているマイクロ波温熱治療装置との整合性についても検討され、ダミ-ロードの使用にて良好なマッチングが得られた。すなわち、臨床応用の際、同装置の測温および温度制御システムが利用できることが示された。 更なる温度分布特性および臨床の利便性の検討を行なった上で、その臨床応用が強く望まれる。
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