研究概要 |
1.健常者の単核白血球におけるG蛋白αサブユニットmRNAの定性的測定法を確立した。また、G蛋白各サブクラス(G_s,G_<i-1>,G_<i-2>,G_<i-3>,G_o)別の検出にも成功した。定量システムについては、当初予定していたビオチンラベルによる検出の他に、アルカリフォスファターゼ標識による検出についても検討しており、どちらの方法を採用するかは今後の課題である。 2.躁うつ病を対象として、ハミルトンうつ病評価尺度やPetterson Scaleによる臨床評価を行いながら、治療前ならびに治療後の採血を開始し、単核白血球のmRNAをわれわれ独自の方法でcDNAに変換、保存している。これららのサンプルは、定量法の確立次第すぐに測定できる状態にある。 3.血小板におけるセロトニン刺激性Ca反応については、健常者を対象に、その測定値標準化のための性差、年齢、日内変動、食餌、運動の影響に関する検定を終了した。躁うつ病患者血小板を用いた検討では、双極性うつ病におけるセロトニンならびにトロンビン刺激性Ca反応の亢進所見が得られ、G蛋白を含む細胞内情報伝達機構の異常が示唆された。 4.躁うつ病治療薬の作用機序検討の基礎段階として、ラット大脳皮質におけるG蛋白各サブクラス(G_s,G_<i-1>,G_<i-2>,G_<i-3>,G_o)mRNAの定性的測定法を確立した。
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