研究概要 |
本年度はミクロ二次元電気泳動法を完成した。一次元目は1x20mmの柱状ゲルで等電点電気泳動し,二次元目は20x20xmmのスラブゲルを用いて,30分の泳動を行った。但しアクリルアミドの濃度勾配ゲルを作製することが難しく,6.4%の等密度スラブゲルを用い.100ngの血漿や1mug乾燥重量の小脳顆粒細胞層の明瞭な分離パターンがえられた。 一方では既に開発した一次元電気泳動法(泳動距離10mm)を応用して,micro-Western blot法を工夫し,網膜の各層構造内の S-抗原(arres-tin)1ngを^<125>I-protein A を用いて定量し,S-抗原が杆・錐体層に局在し,実験的自己免疫性網膜脈絡膜炎(実験的自己免疫性脳炎相当の疾患)に高感受性のラットと低感受性質ラットの間には,S-antigenの網膜内濃度には差異が無いことを見いだした。またこの特異蛋白質の松果体の濃度を測定した(加藤,井上)。 また既に報告した脳特異蛋白質V1に続いて,小脳の発育形成時に特異的に増加のピークを示す蛋白質V2(nuclein)を見い出した。V2は顆粒細胞やプルキニェ細胞の細胞核に特異的に存在することを見い出し,その一次構造やmRNAの分布を明らかにした。さらにC_<18>を充填した内径250mumのキャピラリーに液体クロマトグラフィーのカラムとエレクトロスプレーイオン化/トリプルステージ四重極型質量分析計(ESI/TSQMS)をオンラインで結合した自動微量分析器を開発し,種々の神経特異的蛋白質の構造解析を可能にした(磯部)。
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