研究課題/領域番号 |
04454307
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (40091566)
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研究分担者 |
澤 雅之 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70226059)
柿坂 明俊 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60194677)
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125415)
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キーワード | hybrid artificial liver / 人工肝臓 / 遊離肝細胞 / 代謝補助装置 / 肝細胞培養 |
研究概要 |
重篤な肝機能障害である肝不全の治療成績はなお不良である。一方、近年のbiotechnologyの進歩は目覚ましく、biomaterialの分野でも新たな展開がみられる。人工肝臓の領域でも、生体材料としての遊離肝細胞を用いた、いわゆるhybrid artificial liverの研究が進められている。この場合の最大の課題は、肝細胞の高密度培養、高機能化を図る事にある。本研究は、細胞工学的アプローチによって、肝細胞機能を高度に発現しうる代謝補助装置を開発するための基礎的dataを得ることを目的とした。 今年度は、新しい細胞接着担体としての、セルロース由来多孔質マイクロキャリアーと、ポリウレタンフォームの有用性について検討した。 1)セルロース由来多孔質マイクロキャリアの検討 本材料は、粒子径約200μmで、表面に約30μmの孔を有する多孔質球状粒子である。表面をコラーゲンでコーティングし、肝細胞浮遊液との間歇撹拌法により肝細胞を接着させた。 代謝機能は、アンモニア負荷による尿素窒素合成能、フルクトース負荷グルコース産生能などを、静置培養法、単層培養法等で比較した。その結果、単層培養法よりも良好な代謝機能を示した。 2)ポリウレタンファームの検討 多孔質ポリウレタンフォームの平板上に、肝細胞を散布接着させ、この安全性と生体内における生着に関して、ラット腹腔内に挿入して検討した。その結果、挿入直後の肝細胞に生着量の増大が観察された。 3)問題点と対策 本年度検討したセルロース由来のマイクロキャリアーへの細胞接着量はなお十分でなく、材料の表面孔径ならびに接着法になお工夫を要する。ポリウレタンフォームの安全性は確認されたが、長期生着、増殖の点でなお十分でなく、今後の検討を要する。
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