研究課題/領域番号 |
04454308
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鎮西 恒雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (20197643)
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研究分担者 |
藤正 巖 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30010028)
井街 宏 東京大学, 医学部, 教授 (10010076)
阿部 裕輔 東京大学, 医学部, 助手 (90193010)
満渕 邦彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (50192349)
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キーワード | 表面プラズモン顕微鏡 / 生体適合性材料 / 微細加工 / タンパク吸着 |
研究概要 |
本年度は、生体適合性材料及び、電極材料表面への血漿タンパクの吸着について実時間計測を行った。生体適合性材料として、セグメント化ポリウレタン(KP-13:鐘が淵化学)を、電極材料として、金-クロム蒸着膜を用いた。血漿タンパクはアルブミン、ガンマグロブリンについて計測を行った。 アルブミンのポリウレタンへの吸着曲線は、約7分の時定数を持つ比較的速い部分と、約2時間の時定数を持つ遅い反応が混合したものであった。これは、アルブミンが多層膜として材料表面に吸着する事を示している。すなわちアルブミンの材料表面への吸着が速い時定数を形成し、アルブミン吸着の多層化の過程が遅い時定数を成すものと考えられた。ガンマグロブリンは、無機物である金に対しても強固に吸着し、生理食塩水での洗浄を加えてもわずかに吸着量が減少したのにとどまった。 さらに、材料表面における電界がタンパク吸着に及ぼす影響を検討した。プラズモン励起用の金蒸着膜を一方の電極とし、観察用キュベットに試料と対向させて対電極を置き、双方の電極間に数100mV〜数Vの電位を与えた。すなわち電界は材料表面に対して垂直方向に生じる。あらかじめ表面電界を加えた状態で、材料に接している溶液を生理食塩水からタンパク溶液に置換すると、タンパク吸着の抑制が観察された。しかし、すでに材料表面にタンパクが吸着した状態に電界を加えても、タンパク吸着量に目立った変動は見られなかった。現在電界を材料の表面方向に加える形状の微細加工を電極に施して、電界によるタンパク吸着の制御の可能性について検討を進めている。さらに、直流電界のみならず交流電界での影響についても実験を行っている。 実験動物に装着し、長期にわたりin vivoでのタンパク吸着を観察するため、レーザーダイオードを用いた小型の装置を製作している。
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