研究概要 |
有茎皮弁が隣のvascular teirritotyまで拡大されて、すなわち安全領域を越えて使用される時、その遠位端の壊死の危険性は高くなる。このような皮弁を安全に拡大するために、外科的には従来よりdelayが、最近ではsuperchargingが行われている。拡大するための他の方法として、PGI_2の静注などの薬剤投与によるimmediate pharmacologic delayが報告されている。しかし、静注による全身投与よりもこれらの皮弁の動脈に直接血管拡張剤および抗凝固剤に持続投与した方が効果的と考えられる。PGE_1の潅流動脈への持続注入は、動物実験での有用性は報告されている。しかし、臨床例は稀である。それは有茎島状皮弁では潅流動脈への直接の動注では、上述したように血栓などの合併症の可能性があるため積極的には行われていないと推察される。そこで血流を阻害せず、血栓の可能性のない薬剤の投与経路として、次の2通り考えられる。潅流動脈の分枝により逆行性の経路「1」と、拡大すべきvascular territoryの潅流動脈の所謂pharmacologic superchargingの経路「2」である。 これまで分かった結果は「1」よりも,「2」のほうが有効であった。「1」と「2」の両方の動脈に投与すれば相乗効果が認められた。投与薬関しては,抗凝固剤のほうが血管拡張剤より有効であった。
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