研究課題/領域番号 |
04454319
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
杉町 圭蔵 九州大学, 医学部, 教授 (00038762)
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研究分担者 |
島田 光生 九州大学, 医学部, 助手 (10216070)
矢永 勝彦 九州大学, 医学部, 講師 (70220176)
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キーワード | 移植肝Viability / 冷虚血 / Viability Marker / 肝移植 |
研究概要 |
1.HPLC法によるAdenosine Triphosphate(ATP)、Energy Charge及びその他Adnine nucleotidesの測定法に関しては、試料の作成法、高速液体クロマトグラフの使用法など種々の点で技術的に確立した。またその他の物質(キサンチン、ヒポキサンチン、イノシンなど)についても検討中であり、これらの物質の解析により、より一層の肝臓におけるエネルギー代謝の状態が解明されうると思われる。 2.豚同所性肝移植モデルによる移植肝Viability判定指標のスクリーニングに関しては、新鮮群(UW液にて肝を灌流後、移植する)、24時間保存群(UW液にて24時間保存後、移植する)の2群にて一般肝機能検査、特殊検査(ヒアルロン酸、アンモニア、LCAT活性、ICG、カーボンクリアランス)、ATP、Energy charge、肝組織などを検討し、新鮮群はn=5と順調に進行し、コントロールデータは測定されたが、24時間保存群は生存率が、0%(n=3)であった。ヒアルロン酸やアンモニアの上昇、LCATの低下などのViabilityの指標については有意な差がみられ、また組織所見にても同様の差がみられた。特にヒアルロン酸は鋭敏な反応を示し、Viabilityの鋭敏な指標として考えられた。さらにViableと考えられている12時間保存にて検討を加えたが、生存率が悪く、移植肝Viabilityの評価の評価にはつながらなかった。現在は12時間保存に使用する豚を栄養状態や体重の面で再検討し、実験を続行し、場合によっては、12時間、24時間保存群を各々6時間、12時間保存に変更し、移植肝Viabilityの総合的判定指標の研究を進めていく方針である。
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