研究課題/領域番号 |
04454320
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
松田 道生 自治医科大学, 医学部, 教授 (50048980)
|
研究分担者 |
朝倉 伸司 自治医科大学, 医学部, 講師 (70245033)
三室 淳 自治医科大学, 医学部, 講師 (10221607)
諏合 輝子 自治医科大学, 医学部, 講師 (60183844)
坂田 洋一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40129028)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
キーワード | 異常フィブリノゲン / フィブリノゲン異常症 / フィブリン重合反応 / 血友病B / 異常第IX因子 / 細胞接着 / 高分子キニノゲン / インテグリン |
研究概要 |
1.凝固線溶因子の遺伝性変異分子の解析 1)Fibrinogen(Fbg)異常症:2年に亘る本研究において2変異型、AαGly-17→Val(Fbg Bremen)およびAαGlu-11→Gly(Fbd Mitaka II)同定の作業を完了し、報告した。Fbg Bremenは術中出血と創傷治癒不全をもつ14才のドイツ人男子に見出され、構造解析を依頼されたものである。Fibrin(Fbn)・α錯N末3残基Gly-Pro-ArgはFbnの重合反応基を構成すると想定されているが、事実、N末Glyの置換を持つ本異常分子でFbnの重合障害が主徴である。種々の合成ペプチドを用いた実験からN末GlyのValあるいはAlaへの置換は他のアミノ酸への置換に比し機能障害は軽かったことから、重合反応基は遊離アミノ基の立体配置に依存しているものと推定された(業績15)。Fbg Mitaka IIはthrombinとの結合障害が特徴的で、AαGly-11がthrombinとの結合に必須と判明した(業績16)。最近、結晶回析実験から、このGlu残基のcarboxy側鎖はthrombinのArg-173のもつguanidino側鎖とsalt bridgeを作ること、またAαGly-12と共にfibrinopeptide Aに固有のβ-turnの形成に寄与しているとする仮説が提唱された。本異常分子での所見はこれを支持するもので、今後この方向での検索が必要と思われる(業績13)。 2)軽症血友病Bを惹起する異常第IX因子:Tokyo I:活性型第XIまたは第VII因子による活性化に際して開裂される部位近傍にVal-182→Ala置換を遺伝子解析で同定するとともに、これに符号する活性化遅滞の分子機作を精製異常IX分子を用いて酵素化学的に解明し、報告した(業績14)。 2.細胞接着に関する研究:ヒト高分子キニノゲンが2本鎖に開裂すると細胞接着を阻害することからその分子機作を種々の合成ペプチドやモノクロナル抗体を用いて解析中である。別に、ヒトglioma cellでintegrinの発現と分布を血漿中の各種接着分子との接着反応系で観察した。その結果、生理的環境下には発現しないαVβ3とα5β1の発現および細胞膜上での特異な分布とその移動を見出し、Brain Researchに投稿中である。
|