研究課題/領域番号 |
04454325
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小山 研二 秋田大学, 医学部, 教授 (80004638)
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研究分担者 |
佐藤 泰彦 秋田大学, 医学部, 助手 (80235407)
小棚木 均 秋田大学, 医学部, 助手 (00161935)
田中 淳一 秋田大学, 医学部, 助手 (30171763)
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キーワード | 分化誘導 / dB-cAMP / 8-Br-cAMP / ヒト膵癌 / ヒト胆道癌 / 抗腫瘍効果 / 細胞回転 / ヌードマウス |
研究概要 |
前年度はヒト膵癌を中心に検討したが、今年度は継代株の樹立したヒト胆道癌(胆管癌と胆嚢癌)で検討した。ヌードマウス移植ヒト胆管癌に分化誘導物質であるcAMP誘導体(dB-cAMPと8-Br-cAMP)を1.0μmol/body/dayあるいは2.0μmol/body/dayを14日間ないし28日間連日皮下投与し、腫瘍増殖態度と細胞増殖能を検討した。腫瘍体積増加時間(DT)と細胞分裂指数(MI)は14日間投与群で、dB-cAMP,8-Br-cAMP治療群でともにDTは延長し、MIは減少したが、28日間投与では両群ともDT,MIは生食水投与対照群と有意差を認めなかった。BrdU標識率とFlow cytometoryによる細胞周期別細胞数の分析ではS期細胞の相対的増加を認めた。また核DNA量測定によるDNA indexはcAMP誘導体による変化を認めなかった。 ヌードマウス移植ヒト胆嚢癌に対しても同様の実験を行ったところ、dB-cAMPによる腫瘍増殖抑制効果は認められなかったが、細胞周期の分析では胆管癌と同様の変化を示した。一方、8-Br-cAMPは5.0μmol/body/day投与例で有意に腫瘍増殖を抑制した。 以上より、胆嚢癌に対する8-Br-cAMP単独の抗腫瘍効果が示された。また、dB-cAMPは単独投与ではなく、細胞周期の変化を利用した治療法への応用が期待される。
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