研究課題/領域番号 |
04454347
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
富永 隆治 九州大学, 医学部, 講師 (70136464)
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研究分担者 |
益田 宗孝 九州大学, 医学部, 助手 (10190365)
河野 博之 九州大学, 医学部, 助手 (80178227)
川内 義人 九州大学, 医学部, 講師 (80117093)
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キーワード | 腎交感神経活動 / 無拍動流 / 体外循環 / 低体温法 / 補助循環 |
研究概要 |
成熟ヤギを用いた無拍動流両心バイパス法の実験モデル確立のための基礎研究として、現在、交感神経活動直接測定法の確立を兼ねて家兎および成犬を用いた急性実験が進行中である。まず低体温が交感神経系に及ぼす影響をみた家兎の実験では人工心肺下低体温中は腎交感神経活動の著明な抑制が認められ、再加温時においては冷却前に比べ数倍にあたる腎交感神経活動亢進が認められた。また超低体温循環停止時においては常温循環停止時に見られるようなSympathetic stormの出現は無かった。また、臨床でも多く使用されている遠心ポンプを用いた左室補助システム(LVAS)駆動時の交感神径系と循環系の相互作用についても検討を加えている。現在、家兎を用いてLVASを駆動させ大動脈神経、腎交感神経活動を直接測定し、無拍動流、左心脱血の交感神経系に与える影響およびその機序を検討中である。拍動流と無拍動流が交感神経系に与える影響に関するこれまでの研究報告は頸動脈洞Isolationによるものであり、臨床的に使用されている体外循環下での報告は皆無である。目下、遠心ポンプと拍動流補助人工心蔵を用いた実験系において、拍動流と無拍動流が交感神経系へ与える影響を検討中である。これらの基礎研究から人工心臓駆動中においても長時間安定した交感神径インパルスの記録が可能となり、本研究の目的とする成熟ヤギを用いた無拍動流両心バイパスモデルへの応用が可能であると思われる。すなわち無拍動流人工循環下における循環動態、臓器血流、酸素消費量等の変化を検討することに加え、交感神経インパルスを直接測定することにより至適潅流量、至適潅流圧の決定が可能となり、ひいては制御法への応用も可能となると思われる。今後、本研究の主題を解明すべく成熟ヤギを用いた実験を開始する予定である。
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