研究課題/領域番号 |
04454350
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
吉竹 毅 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60010261)
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研究分担者 |
増永 敦子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60219350)
金井 福栄 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (30161152)
菅原 勇 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10196701)
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キーワード | 重症筋無力症 / 胸腺 / リンパ濾胞 / Bリンパ球 / 免疫組織染色 / 胚中心形成 / 免疫グロブリン / apoptosis |
研究概要 |
重症筋無力症(MG)症例の胸腺髄質に存在する胚中心形成を成すリンパ濾胞中には、免疫グロブリン保有細胞は少なく、その可溶性蛋白を採取し、免疫グロブリンのDNAを抽出し、遺伝子の再構成をみたが、免疫グロブリン遺伝子の再構成は認められなかった。 MG症例は胸腺腫を合併する頻度が高く、腫瘍中にmedullary differentiationを見る症例が約45%存在し、またリンパ濾胞様構造を示す症例が約36%あり、抗体産生直接関連について免疫組織染色を行った。これらの構造組織中には、Bリンパ球が集合しているが、免疫グロブリン保有細胞は極めて少なかった。同様に、MG非合併胸腺腫について、免疫組織染色を行ったが、腫瘍中にmedullary differentiationおよびリンパ濾胞様構造は認められなかった。Bリンパ球保有腫瘍はMG症例で約55%,非MG症例で約50%存在し、差を認めなかったが、非MG胸腺腫のBリンパ球の集合密度はMG胸腺腫に比し疎であった。またBリンパ球を認識するLN1抗体陽性細胞はMG胸腺腫に約36%認められたが、非MG胸腺腫には認められなかった。免疫グロブリン保有細胞は非MG胸腺腫でも極めて疎で、MG胸腺腫との差は認められなかった。 MG胸腺の濾胞について、抗体産生細胞に関連するapoptosisの検索を行った。Fas抗原およびBM1抗原の発現を免疫組織染色で行い、MG胸腺濾胞ではFas抗原の発現が減少し、BM1抗原発現は認められなかった。 以上の結果で、MG胸腺の発達した濾胞にはBリンパ球の集合が目立つが、活性前の状態であり、またMG胸腺腫でも同様であった。MG胸腺濾胞のapoptosisは低減を示し、MG胸腺のnegative regulationを攪乱し、自己抗体産生亢進に関与していると推定された。
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