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1992 年度 実績報告書

肺癌の治療指針としての癌遺伝子・腫瘍抑制遺伝子の異常

研究課題

研究課題/領域番号 04454351
研究機関産業医科大学

研究代表者

光冨 徹哉  産業医科大学, 医学部, 講師 (70209807)

研究分担者 白日 高歩  産業医科大学, 医学部, 教授 (20038863)
キーワード肺癌 / 癌遺伝子 / 腫瘍抑制遺伝子 / 治療指針 / 突然変異 / p53遺伝子 / 外科 / 予後因子
研究概要

平成4年度は初年度として、癌遺伝子はras遺伝子、腫瘍抑制遺伝子としてはp53遺伝子の解析を行った。
ras遺伝子突然変異の解析は50余のサンプルについて行ったが、従来の報告(20-30%)と異なり極めて低頻度であった(<5%)。陽性対照を用いた検討で、検出方法に問題のないことは確認しており原因は不明である。方法を変え再検討も予定しているが、最終的解析にras遺伝子突然変異を加えることは困難である見通しである。
p53遺伝子についてはまず、陽性対照を用いてPCR-SSCP法を確立した。並行して切除標本及びパラフインブロックよりのDNAの抽出を行った。パラフィンブロックより抽出されたDNAは予測したよりqualityが悪く、300塩基対程度のPCRによる増幅も困難であった。このため切除肺癌の凍結保存標本より抽出したDNAの解析から着手することとした。120例の切除非小細胞肺癌では、p53突然変異は41/120(34%)に認められた。組織型別に突然変異の頻度は腺癌(18/65、28%)、扁平上皮癌(29/47、62%)、大細胞癌(4/8、50%)であった。臨床病期別にみると、病期I 37%、II 58%、IIIA 33%,IIIB 67%,IV 53%であった。単変量解析で、p53変異のある患者の予後は有意に不良であった(p=0.01,logarnk test)。また、Coxの比例ハザードモデルを用いた多変量解析ではp53の突然変異は病期、性別とともに独立した予後不良因子であることが示された(ハザード比1.84、p=0.018)。臨床上、肺癌患者の管理指針として有用である可能性が高く、今後臨床応用についても検討を進める予定である。この結果は現在英文誌に投稿中であり、1993年米国癌学会で発表予定である。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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