研究課題/領域番号 |
04454358
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉田 純 名古屋大学, 医学部, 講師 (40158449)
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研究分担者 |
八木 國夫 応用生化学研究所, 所長 (00022749)
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
若林 俊彦 名古屋大学, 医学部, 助手 (50220835)
杉田 虔一郎 名古屋大学, 医学部, 教授 (30023807)
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キーワード | 遺伝子治療 / 脳腫瘍 / インターフェロン / リポソーム |
研究概要 |
ラットT9グリオーマ細胞はメチルニトロソウレアにてF344ラットに誘発された実験脳腫瘍を継代培養している細胞株である。この細胞は培養液中に高濃度のHuIFN-βを加えても全く増殖抑制効果が観察されない。しかしpSV2IFN-β包埋リポソームを培養液中に加え腫瘍細胞内に内因性HuIFN-βを発現させると有意な増殖抑制効果が観察された。そこでF344ラットの頭蓋を穿頭し、T9グリオーマ細胞とpSV2IFN-β包埋リポソームを同時に頭蓋内に注入したところ脳内で発育した腫瘍細胞からHuIFN-βの発現がmRNAおよび蛋白レベルで確認された。又pSV2IFN-β包埋リポソームを同時に頭蓋に注入したところ脳内に発育した腫瘍細胞からHuIFN-βの発現がmRNA及び蛋白レベルで確認された。又pSV2IFN-β包埋リポソームを加えなかった場合に比べ腫瘍増殖は抑制され(動物用MRIにて確認)半身麻痺等の症状発現までの期間が11日より19日に、生存期間が22日より29日に延長され、脳内腫瘍に対しても抗腫瘍効果が発現されることが確認された。又pSV2IFN-β包埋リポソームを正常ラット脳内に注入したところ、このリポソームによると思われる副作用はなく、組織学的検査において生食注入ラットと全く変化を認めなかった。以上よりpSV2IFN-β包埋リポソームは安全に脳内に投与可能であることが示唆された。
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