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1993 年度 実績報告書

脳腫瘍の遺伝子工学的診断と治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04454363
研究機関佐賀医科大学

研究代表者

田渕 和雄  佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50116480)

研究分担者 木原 俊一  佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30253610)
中川 摂子  佐賀医科大学, 医学部, 助手 (00253609)
白石 哲也  佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70206275)
阿部 雅光  佐賀医科大学, 医学部, 講師 (20136427)
キーワード脳腫瘍 / 遺伝子診断 / 癌抑制遺伝子 / p53 / MDM2 / Fas抗原 / アポトーシス / 遺伝子治療
研究概要

我々は、これまでヒト脳腫瘍(神経膠腫)ではその約30%に癌抑制遺伝子である p53遺伝子の変異があることを明らかにしてきたが、それ以外にも種々の遺伝子異常が存在するであろうと想定してきた。今回、我々はp53遺伝子に異常が認められない脳腫瘍症例について種々検索を行なった結果、p53蛋白質と結合することによりその機能を阻害するmdm2遺伝子の異常な増幅発現が約10%の脳腫瘍(神経膠腫)でその発生に深く関与している可能性をつきとめることが出来た。つまりp53遺伝子の変異は、脳腫瘍の発生に必須ではなく、いくつかの癌遺伝子あるいは癌抑制遺伝子の異常(変異、増幅など)の組合わせによって脳腫瘍がもたらされていることを、遺伝子レベルで一層明白にすることができたと考えている。 一方、我々はヒト脳腫瘍でも細胞の自爆死(アポトーシス)が惹起されていることを認めた。さらにアポトーシスのシグナル伝達に直接関係するFas抗原が強く発現されていることを発見し、しかもこれらの脳腫瘍細胞では抗Fas抗体によりアポトーシスが、人為的に誘導されることを確認することができた。現在我々は、Fas抗原のリカンドを検索中であるが、このことは将来、悪性脳腫瘍に対してアポトーシスの機序を介する画期的な遺伝子治療法が開発される可能性を示唆するものと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 田渕和雄: "脳腫瘍の分子生物学的特性" 脳神経外科. 21. 677-696 (1993)

  • [文献書誌] 白石哲也: "抗Fas抗体による培養グリオーマ細胞のapoptosis誘導" 神経化学. 32. 100-102 (1993)

  • [文献書誌] Sato, T.: "Frontal lobe tumor associated with late-onset seizure and psychosis." Psychiat.Neurol.47. 541-544 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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