研究課題/領域番号 |
04454368
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
竹光 義治 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00038663)
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研究分担者 |
渡壁 誠 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70182946)
加茂 裕樹 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50214565)
熱田 裕司 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90167924)
宮津 誠 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50200192)
後藤 英司 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50142807)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 腰部変性後弯 / 筋変性 / 筋内圧 / 筋虚血 / 動的姿勢保持 / 労働姿勢 |
研究概要 |
本研究の目的は腰部変性後弯における筋変性の原因を多角的に分析することと、歩行運動など動的条件下において、筋変性の及ぼす生体力学的影響を身体全体を包含した動的姿勢保持機能から客観的に評価することであった。腰部変性後弯の立位X線像では、腰椎前弯角と相関して、胸椎後弯角の滅少、仙骨傾斜の滅少、仙骨一大腿角の増加、仙骨岬一大腿骨骨頭間水平距離の増加、椎体楔状化数(骨粗鬆症による骨折を含む)と狭小椎間板数の合計数の増加を示した。このことから、腰部変性後弯では、腰椎後弯に伴う上半身の重心の前方移動を胸椎後弯の前弯化と仙骨底面の後方傾斜により代償していると考えられる。前屈労働姿勢では腰部伸筋内圧が150mmHg以上の高い値を示し、筋内毛細血管の閉塞による阻血状態が生じうる。病理組織的検索では筋の慢性的な虚血あるいは低酸素状態が筋線維と筋内神経に障害を及ぼしたことを強く示唆した。すなわち、過剰内圧により腰部伸筋変性が誘発され、それが腰部変性後弯姿勢および腰痛発生の引金として重要な役割を果たしている可能性が高い。腰部伸筋の変性は筋線維の萎縮によるCT値や断面積が減少、さらに筋力減少としてとらえられた。このようにして生じた筋の機能低下は、歩行負荷時には動的姿勢の変化を誘発していた。一方、膝内反変形は、腰椎の前弯減少、股関節の屈曲・外旋、下腿の内旋を伴う3次元的な姿勢の異常である。今回の調査から腰椎の前弯減少が、膝OAの危検因子ともなる可能性が示唆された。
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