研究課題/領域番号 |
04454369
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
南 昌平 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (20166086)
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研究分担者 |
北原 宏 千葉大学, 医学部, 助教授 (30114268)
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キーワード | 脊柱側弯症 / 乳幼児期側弯症 / 学童期側弯症 / 側弯症手術 / 脊椎イントルメンテーション / チバスパイナルシステム / 側弯矯正固定装置 / 伸長用ロッド |
研究概要 |
乳幼児期・学童期側弯症手術における伸長用ロッドシステムの開発研究を行った。現有のChiba Spinal System(CSS)を基本として、小児用とすべくデザインし、インストルメントを成長に合わせて伸長し得るように中央に駆動部分を設けた。駆動部分の形状により、3種類のインストルメントを作製し、タイプAは径13mmの外筒内に2重構造のギアーを設置し、ロッド両方向に伸長でき、タイプBは外筒を除き、駆動部分を径12mmとし、タイプCは完全手動式ギアー回転により伸長し、径10mmとした。生体力学的検討にて側弯度30°及び50°のリゴラック製脊椎モデルを用いた実験結果からCSS dual rodより劣っているものの、single rodとほぼ同等の安定性を示し、特にタイプBはより優れた結果が示された。ビーグル犬を用いた装置実験では装置後3週、6週、12週の伸長手術時の所見から時間と共に軟部組織の介在が強くなるが、ロッドの伸長は可能であり、12週では周囲の軟部組織を剥離することにより伸長可能であった。したがってロッド駆動部分への小皮切侵襲により手動にて回転させる場合には12週以後も問題ないことが示された。臨床応用については今回開発した伸長用ロッドシステムのinstrumentation failureを避けるために、凸側皮下のcompression rodの併用により優れた固定性が見込まれ、臨床応用に耐え得るものと思われた。さらにタイプA、タイプBではモーターを内蔵させることが可能であり、無侵襲にてロッドを自動的に回転・伸長させることが期待される。今回本研究により乳幼児期・学童期側弯症手術における矯正・固定装置としてロッド中央に駆動部分を設け、サイズを小児用にコンパクトとした、脊椎伸長用ロッドシステムを開発した。
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