研究課題/領域番号 |
04454379
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
平澤 泰介 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40079851)
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研究分担者 |
高井 信朗 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10226730)
玉井 和夫 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80227256)
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キーワード | 末梢神経 / 加齢 / 微細血管鋳型標本 / 走査電子顕微鏡 / 神経束外血管系 / 神経束内血管系 |
研究概要 |
[方法]生後36カ月未満(成熟群)の日本白色種家兎の腹大動脈よりOhtaらの方法でアクリル樹脂を注入し、坐骨神経を採取して2%NaOH溶液で軟組織を除去し微細血管鋳型標本を作成した。イオンスパッタリング法による金蒸着の後、走査電子顕微鏡にて神経束外血管系の観察を行い、その後凍結割断にて縦断標本を作成し走査電子顕微鏡にて神経束内血管系の観察を行った。また2.5%グルタールアルデヒドにて腹大動脈から灌流固定を行なった後、坐骨神経を採取して細切し1%オスミウム酸にて後固定を行い、SPURR′s resinに包埋し準超薄切片を作成しトルイジン・ブルー染色を行って光学顕微鏡下で横断面の観察を行った。また同部位の超薄切片を作成し、酢酸ウラン・クエン酸鉛二重染色を行い透過電子顕微鏡にて観察した。 [結果]坐骨神経に分布する血管は、伴走血管よりほぼ一定の間隔で分節的に細動脈が分岐し、それより多数の毛細血管が派出していた。神経束外血管系では、口径の小さい(約5μm)毛細血管が互いに吻合して神経束を囲むように密な網目を形成する一方、神経束内血管系では口径の大きい(約10μm)毛細血管が数十本の神経線維を取り巻くように緩やかなラセンを描きながら縦走していた。両血管系の吻合は少なく、分節的に派出された細動脈が外血管系を経ずに直接内血管系の毛細血管に移行する像が随所に認められ、またその毛細血管は神経周膜を貫く部位より口径が細くなり、ラセンを描き出すのが観察された。横断切片では神経束内で神経内膜中に口径10μm前後の毛細血管が散在し、神経束外には神経周膜の周囲に伴走栄養血管および口径5μm前後の毛細血管が多数認められた。神経束内血管は偏平な内皮細胞によって形成され、その周囲には周皮細胞と連続した基底膜が認められた。隣接する内皮細胞は、tight junctionによって接着し、閉鎖型血管の像を呈していた。
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