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1992 年度 実績報告書

生体活性骨セメントの臨床応用に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04454382
研究機関愛知医科大学

研究代表者

丹羽 滋郎  愛知医科大学, 医学部, 教授 (70065530)

研究分担者 岩崎 慎一  愛知医科大学, 医学部, 助手 (10160095)
青木 重久  愛知医科大学, 医学部, 教授 (90065524)
服部 友一  愛知医科大学, 医学部, 助手 (40172936)
高柳 富士丸  愛知医科大学, 医学部, 講師 (80148329)
キーワード生体活性骨セメント / リン酸カルシウム / コンドロイチン硫酸 / 骨親和性 / 溶血毒性 / 機械強度 / ハイドロオキシアパタイト / 人工関節
研究概要

研究開発を行っている生体活性骨セメントは、α型第3リン酸カルシウム(α-TCP)と第2リン酸カルシウム(DCPD)などを混和し加水分解する反応を利用して硬化させ、人工関節など骨内インプラントを固定しようとするものである。
α-TCP95%、DCPD5%、コンドロイチン硫酸Na10%、コハク酸Na12%、水78%の組成のものでは、その圧縮強度は最高57.9±5.8HPaを示し、硬化した最終産物はハイドロオキシアパタイトの組成を示した。家兎大腿骨内に埋入した結果、良好な骨組織親和性を示した。埋入された骨セメントと骨は直接に接し、網目状の新生骨が形成されることを確認した。またこの骨セメントとの固着性は、大腿顆に開けた孔に埋入した骨セメントの引き抜きテストにより、30kgf前後の強さを持つことが明らかとなった。
しかし、この素材の溶血毒性テストにおいて溶血反応を認めたため、α-TCPの焼成温度を上げ、PO_4^<3->イオンの溶出量を少なくすると共に、アルカリ性の強い第4リン酸カルシウム(Te CP)を加えたものに組成を変えることにより溶血反応を阻止でき、その圧縮強度は上昇し、88.1±2.9を示した。現在この素材についての試験管内、生体内の骨親和性、機械強度を検討中である。
平成4年度の研究によって、加水分解反応を利用したリン酸カルシウム系骨セメントは、最終的にハイドロオキシアパタイトになることが確認され、良好な骨親和性を持ち、ヒト海綿骨以上の機械強度を示すことが明らかになった。今後更に新しく処方されたTeCPを含む骨セメントについて、組織親和性、生体内の埋入された際の機械強度について検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 丹羽 滋郎.山本 晴彦: "α-第3リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウル、コンドロイチンナトリウムセメントの骨組織親和性に関する研究" 第4回世界生体材料学会発表(ベルリン). (1992)

  • [文献書誌] 丹羽 滋郎.山本 晴彦 服部 友一: "α-第3リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、コンドロイチンナトリウムセメントの試験管内、生体内における強度に関する研究" 日本バイオマテリアル学会シンポジウム92発表(東京). (1992)

  • [文献書誌] 服部 友一.高柳 富士丸: "α-第3リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、コンドロイチンナトリウムセメントのin vitro,in vivoにおける機械強度に関する研究" 第81回中部日本整形外科災害外科学会発表(松山). (1993)

  • [文献書誌] 青木 重久.山本 晴彦 岩崎 慎一: "新しい生体活性骨セメントの骨組織親和性" 第21回愛知医科大学医学会総会発表(名古屋). (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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