研究課題/領域番号 |
04454386
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
田中 行夫 山梨医科大学, 医学部, 講師 (40155180)
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研究分担者 |
中込 昌子 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30217690)
久米 正記 山梨医科大学, 医学部, 講師 (50205176)
熊澤 光生 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10092404)
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キーワード | 培養心筋細胞 / カルシウム / 吸入麻酔薬 |
研究概要 |
本年度は幼弱心筋と成熟心筋細胞を用い、吸入麻酔薬の成熟心筋細胞に与える影響を、カルシウム感受性色素fura-2を用いて検討した。今年度の研究費の消耗品費にて心筋細胞培養に必要な薬品を購入した。平成4年度の研究費の設備備品費にて購入した倒立顕微鏡と高感度テレビカメラを使用し、心筋細胞の拍動をビデオに記録し、吸入麻酔薬が培養心筋細胞に与える影響を検討した。さらに当大学共同機器センターにある蛍光顕微鏡を使用し、今年度の消耗品費にて購入したカルシウム感受性色素fura-2を用い吸入麻酔薬が心筋細胞内カルシウム濃度に与える影響を検討した。 ビデオに記録した画像の解析からはハロセンは幼弱心筋の不整拍動の頻度を増加させる傾向があったが、他の吸入麻酔薬では有為な変化はみられなかった。カルシウム感受性色素INDO-1を使用し、収縮に伴う細胞内カルシウム濃度の変化を検討した。どの吸入麻酔薬も同程度に細胞内カルシウム濃度の上昇を抑制した。静止状態の成熟心筋細胞の細胞内カルシウム濃度は吸入麻酔薬であるハロセン、イソフルレンにより有為な変化を示さなかった。セボフルレンでは細胞内カルシウム濃度が軽度上昇した。 虚血状態では細胞内カルシウム濃度は徐々に上昇したが、ハロセンは細胞内カルシウム濃度の上昇を抑制した。一方セボフルレンとイソフルレンは細胞内カルシウム濃度の上昇を促進した。 以上から成熟心筋と幼弱心筋では吸入麻酔薬の作用が異なり、虚血状態ではハロセンが細胞内カルシウム濃度の上昇を抑制し心筋保護的に働くことが示唆された。
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