研究課題/領域番号 |
04454389
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
小栗 顕二 香川医科大学, 医学部, 教授 (40079934)
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研究分担者 |
木下 博之 香川医科大学, 医学部, 助教授 (60136083)
横野 諭 香川医科大学, 医学部・付属病院, 助教授 (70106425)
大川 和秋 大阪大学, 教養部, 助手 (30029714)
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キーワード | ヤリイカ巨大神経軸索 / 局所麻酔薬 / 活動電位 / 麻酔薬作用機序 / 局所麻酔薬電極 / ナトリウムチャンネル / 脂質膜 |
研究概要 |
ヤリイカの入手上の問題から香川医科大学と国立生理学研究所伊根実験室の2箇所で実験を進める計画にしていたが、国立岡崎生理学研究所の協力が得られ香川医科大学と国立岡崎生理学研究所の2箇所で実験を行なった。 局所麻酔薬電極の微小化:50〜75μmの銅線を用いて先端部直径が100〜150μmの局所麻酔薬電極の作成が可能になった。この電極は合成に乏しいため単独でイカの軸索に挿入することが困難なためガラスカニューレを通して挿入する必要がある。また、測定部が極めて微少で作成後2〜3週間で感度が低下するという問題が残っている。また、この局所麻酔薬電極はイオン型の局所麻酔薬による電位変化を測定しているため、pK値が海水のpHに近いリドカインの場合、溶液のpHの変化が測定結果に大きく影響し、至適測定条件の決定まで至っていない。 巨大軸索内の局麻薬濃度と活動電位の同時記録:本年度はヤリイカの巨大軸索にガラス管を挿入し、さらにそのガラス管内に局麻薬電極を通して軸索内の局麻薬濃度と軸索伝導の関係を解明すべく実験を行なった。ヤリイカの巨大軸索の全周が人工海水に浸漬されるようにシールを工夫することにより刺激電流が漏れて局麻薬電極の電位に及ぼす影響を回避できるようになった。人工海水中に10^<-2>〜10^<-3>mol/Lのリドカインを投与すると、リドカインの軸索内濃度は速やかに上昇し、約10分で軸索伝導が遮断された。この状態に達した後、外側の人工海水を局麻薬を含まないものに変えると、軸索内の局麻薬濃度が軸索伝導が遮断されたのとほぼ同じ値まで低下した時点で伝導が回復する現象が観察された。この現象は非常に良好な再現性を持っており、これをもとに局所麻酔薬の作用動態の解析を進めている。
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