研究課題/領域番号 |
04454395
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
稲田 英一 帝京大学, 医学部, 助教授 (40193552)
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研究分担者 |
矢萩 真弓 帝京大学, 医学部, 助手 (20211617)
岡田 和夫 帝京大学, 医学部, 教授 (30082093)
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キーワード | 心筋虚血 / 冠血流量 / アデノシン / ベータ受容体 |
研究概要 |
前年度に引き続いて、犬を用いて、急性冠動脈狭窄を起こし、心筋虚血モデルを作成した。犬は3群に分け、冠動脈狭窄時にアデノシン(A群)、ニトログリセリン(N群)、それに生理食塩水を投与した対照群(C群)とした。心筋虚血後に、虚血部分(左前下行枝領域)、非虚血部分(左回旋枝領域)の心筋を摘出し、さらに心内膜側と心外膜側の心筋に分離した。それぞれの部分について、心筋内のアデノシン、ATP、ADP、AMP等について分析した。さらに、心筋中のbeta受容体数について、生化学滴加分析を行っている。 現在までの限られたデータではあるが、心筋虚血部の心外膜側において、A群のようがN群に比較し、beta受容体数が増加していた。正常部分の心外膜側心筋を比較した場合、A群の方がN群よりbeta受容体数が保たれていた。心内膜側心筋では、非虚血部心筋でも、虚血部心筋でも、3群の間に差は見られなかった。 こういったベータ受容体数の変化の意味づけは、まだできていない。しかし、虚血部のbeta受容体数がアデノシン投与によりよく保たれていることは、心筋虚血改善後に、虚血を起こしていた心筋がbeta受容体刺激に反応し、収縮性を高めることができる可能性を示唆している。 心機能面、高エネルギー燐酸化合物、beta受容体という多角的側面から、さらにアデノシンの心筋虚血改善作用について検討する必要がある。
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