研究課題/領域番号 |
04454396
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
菊地 博達 東邦大学, 医学部, 教授 (40034029)
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研究分担者 |
佐多 謙 東邦大学, 医学部, 助手 (00235300)
前田 倫子 東邦大学, 医学部, 助手 (30173355)
篠田 貴秀 東邦大学, 医学部, 助手 (50175387)
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キーワード | 悪性高熱症 / スキンドファイバー法 / 骨格筋内カルシウム動態 / 骨格筋による診断 / 神経筋疾患 / 除神経筋 / 麻酔中に使用される薬物 / 筋小胞体からのカルシウム誘発性カルシウム遊離速度(Calcium-induced Calcium release rete, CICR rate) |
研究概要 |
全身麻酔の重篤な合併症である悪性高熱症の原因は、骨格筋内におけるカルシウム代謝異常であることがほぼ明らかになってきた。本研究の基盤となる骨格筋のスキンドファイバー法は、骨格筋内カルシウム動態(1.筋小胞体からのカルシウム誘発性カルシウム遊離速度(Calcium-induced Calcium release rate CICR rate)、2.筋小胞体へのカルシウム取り込み、3.収縮系蛋白に対するカルシウム感受性)を独立的に測定でき、同疾患の診断に応用されている。本研究では、同疾患が疑われた患者および家族さらに悪性高熱症類似疾患(ミオグロビン尿症、高クレアチンキナーゼ(CK)症患者など)患者から摘出(生検)した骨格筋におけるスキンドファイバー法による骨格筋内のカルシウム動態の検査結果を集積し、臨床面からの疑問点のひとつに答えた。また、いくつかの神経筋肉疾患における骨格筋内のカルシウム動態も検討し、一部疾患での異常を見いだした。次に動物(モルモット)の除神経筋では、スキンドファイバー法にて、筋細胞内のカルシウム動態異常に基づく薬物(キサンチン誘導体であるカフェインおよび揮発性吸入麻酔薬であるハロセン)への感受性の変化を見いだし、欧米で悪性高熱症診断に行われているカフェイン、ハロセン筋収縮試験の不安定さの一因を示した。また、動物の骨格筋標本を用いて、麻酔中に使用される薬物(カルシウム拮抗薬など)のカルシウム動態への影響を検査し、本症患者への薬物投与の臨床的な安全性を検討した。
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