研究課題/領域番号 |
04454398
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
無敵 剛介 久留米大学, 医学部, 教授 (60080917)
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研究分担者 |
高木 俊明 産業医科大学, 講師 (90098864)
大石 一男 久留米大学, 医学部, 助手 (70203700)
渡邉 誠之 久留米大学, 医学部, 助手 (10201196)
上田 直行 久留米大学, 医学部, 助教授 (70148831)
津田 英照 久留米大学, 医学部, 助教授 (10080920)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | venous return(VR) / cardiac wall thickness / stunned myocardium / Emax / resistance of VR / preload reserve / HFJV / coronary occlusion |
研究概要 |
静脈還流が右心系に対し行なわれる際、まず、末梢低圧容量血管系より横隔膜にて一部を郭する胸腔内の大静脈管内へ血液充満し、次に超圧勾配機構により低圧系より高圧系の心内へと還流される。このような心力学的静脈還流機構を、特に心筋虚血や出血性ショックなどからの蘇生時を背景に追究した研究は数少ない。そこで、われわれは心房および心室機能の上記病態下の変化を中心に静脈還流の観点から心力学的解析を行なった。(1)心マッサージ犬(global ischemia,A群)とLAD狭窄犬(regional ischemia,B群)とにおいて光伝送方式による直結型EKG(QRS振巾、STレベル、拡大P波)、LVP negative dp/dt max、LVEDP、Emax、wall thickening(WT)、postsystolic WT(PSWT)等の計測がstunned myocardium時の心室拡張能および静脈還流機構と関連する指標のモニターとなることを確認し、とくにQRS振巾とWT、Emax変化は心筋虚血時のelectromechanical associationとしてSwineにおいても認めた。(2)ドブタミンの投与で著明に低下したEmaxWTが回復するとQRS振巾も回復するのがみられ、低下していた心室筋のPSWTの出現も静脈還流量の増大と共に急速に回復することを認めた。(3)stunned myocardiumからの回復状態では臨床的に重要な指標としてSTレベルのみならず、QRS振巾も優れた指標となることを認めた。(4)急性心筋虚血犬ではA群よりB群でのPSWTは顕著であり、Emaxも早期に回復した。(5)Valsalva操作によるPms(mean systemic pressure)の測定は静脈還流抵抗(ROVR)の算定を可能とし、HFJV時ROVRが低く維持され、IPPVより静脈還流動態に対し有利である可能性を確認した。また、Pms、ROVRの理論値の算出を術中に行なうためのわれわれのこれまでのalgorismを改変し、実際の臨床に随意応用できるためのソフトを開発し、術中循環管理の新しい方策として、静脈環流動態と関連する心力学的指標のモニターの測定とその解析が有用であることを認め、新しい臨床面での研究を展開している。
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