研究課題/領域番号 |
04454399
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
島崎 淳 千葉大学, 医学部, 教授 (10008229)
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研究分担者 |
小玉 孝臣 千葉大学, 医学部, 技官 (40143309)
正井 基之 千葉大学, 医学部, 助手 (20219314)
安田 耕作 千葉大学, 医学部, 助教授 (70009710)
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キーワード | 前立腺肥大症 / アンドロゲンレセプター / 偶発前立腺癌 / アンチアンドロゲン / 前立腺 / 尿流量率 / ラット前立腺癌 |
研究概要 |
組織学的前立腺肥大症結節は高齢者には高率にあるが、腫大せる前立腺や臨床症状を有するものへの進展は不明の点が多い。これらを検討すべく本年度はつぎの研究をおこなった。 (1)前立腺肥大症の自然史 數年末安房郡において前立腺検診をおこなったので、そのデータを整理した。青壯年期の前立腺は20g±8であるが、肥大症は50才以降よりおこり、これより増大する群と無変化またはむしろ減少する群に分かれる。前者では年間増大率は65才までは1g、それ以降は0.5gであった。千葉大学における手術例の重量分布と比べ検診者もほゞ同じことから、症状と重量とは直接の関係がないと推測した。なお年齢増加にしたがって尿流量率は低下するため、本疾患の症状の一因となっていることがわかった。 (2)前立腺肥大症のアンドロゲン依存性 手術材料を用いてアンドロゲンレセプターを組織化学的に検出した。検索せる全例に腺上皮および間質細胞の核にアンドロゲンレセプターを認めた。すなわち肥大症結節のアンドロゲンによる調節が示唆されたことになる。 (3)前立腺肥大症の治療が及ぼす徴小前立腺癌への影響 高齢者前立腺には10-20%に徴れな前立腺癌の合併がみられている。これの増殖に対する肥大症治療の影響を検討した。過去數年来前立腺肥大症の摘除標本の偶発癌合併頻度は大きな変化はなかった。本問題をラット可移植性前立腺癌を用いて、移植後皮下結節形成までの期間にアンチアンドロゲンであるフルタマイドを投与したが、その後の腫瘍は発育が遅延するもアンドロゲン感受性を保持していた。これらより肥大症のアンチアンドロゲン療法が徴小癌を悪化する可能性が少いと推測した。
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