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1993 年度 実績報告書

膀胱尿管逆流現象と膀胱三角部の形状との相関関係(コンピュータによるアルタイム3次元マッピング装置による)

研究課題

研究課題/領域番号 04454405
研究機関琉球大学

研究代表者

秦野 道  琉球大学, 医学部, 助教授 (10101924)

研究分担者 小山 雄三  琉球大学, 医学部, 講師 (80129436)
早川 正道  琉球大学, 医学部, 助教授 (00095639)
大澤 炯  琉球大学, 医学部, 教授 (70045251)
キーワード膀胱尿管逆流現象 / コンピュータ / 膀胱三角部 / 三次元 / 計測
研究概要

膀胱尿管逆流現象と膀胱三角部の形状との関係を調査した。本年度は小児における膀胱尿管逆流現象症例および非逆流症例において、三角部の形状を計測した。計測にあたっては、研究代表者によって開発された三次元マッピング装置を使用し、小児用膀胱鏡に接続しコンピュータによる解析を加えた。
計測した三次元位置座標は、外尿道口、精阜、膀胱頚部、尿管口であり、それらのデータを用いて、左右尿管口の距離、膀胱頚部より左右尿管口までの距離、三角部の面積、膀胱頚部より、左右尿管口の角度、などを計算した。
従来の常識では、尿管口の位置は膀胱尿管逆流現象に深く関与しているとされていた。しかしながら従来の判断は、医師の経験に主観に頼ったものであり、きわめて不確定なものであった。そこで当初尿管口の位置を精密に測定し数値化することにより、尿管口の位置と予後との関連をより明確にすることを目的としていた。
ところがこの過程で意外な新事実が明らかになった。すなわち、尿管口の位置は固定しているのではなく、膀胱の中に水が入るにしたがい徐々に移動していた。そこでこの点に着目し、膀胱にほとんど水の入っていない状態および最大容量まで水の充満している状態での位置の移動距離を測定することにした。
この移動方向および距離は、膀胱三角部の発育状況を反映していることが推定される。したがってこの伸び現象こそが、膀胱三角部の脆弱性に関係する重要なサインである可能性がある。そこで膀胱尿道逆流現象の9例と非逆流の6例とで、この伸び具合を検討してみた。
その結果、逆流症例と非逆流症例では膀胱三角部の伸びる方向に違いがあることが判明した。すなわち逆流症例では前後方向および左右方向への伸び率が等しかったが、非逆流症例では、前後方向の伸び率が左右方向に比して有意の差で大きかった。
この事実は、膀胱尿管逆流現象の三角部の発育状況は、尿管口の位置を判定基準にするのではなく、伸び率をその指標とすべきことであることを示唆している。この事実は従来の常識を覆すものであり、今後膀胱三角部の伸展性とその長期的な予後とに関する検討が必要と思われる。

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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