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1994 年度 実績報告書

腎細胞癌の遠隔転移予防に関する治療学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04454406
研究機関札幌医科大学

研究代表者

塚本 泰司  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50112454)

研究分担者 宮尾 則臣  札幌医科大学, 医学部, 助手 (40200125)
伊藤 直樹  札幌医科大学, 医学部, 講師 (60193504)
キーワード腎細胞癌 / マウス腎腺癌 / 肺転移 / サイトカイン / 血管新生阻害
研究概要

本年度の研究では、これまでの研究成果を踏まえ、(1)サイトカインによるマウス腎腺癌の浸潤・転移の抑制効果とその機序、(2)血管新生阻害剤によるマウス腎腺癌の転移抑制、(3)tetracyclineを用いた腎細胞癌の転移出現予防効果、を検討した。
1)マウス腎腺癌を用いて実験的肺転移に対するIFN-α、γおよびIL-2の効果を検討した。IFN-αは転移抑制効果を示さなかったが、IFN-γあるいはIL-2の投与により濃度依存的に肺転移が抑制された。特にIFN-γとIL-2の併用により両者が相乗的に作用し著明な肺転移抑制効果が得られた。IFN-γおよびIL-2の肺転移抑制効果の機序を検討するために、マウス腎腺癌の皮下移植腫瘍に対する増殖抑制効果を検索した。その結果両者とも移植腫瘍の増殖を抑制した。さらにIFNのtype IV collagenolysis抑制効果を検討した。IFN-αにはこの効果は認められなかったが、IFN-γは明らかな抑制効果を示した。したがって、IFN-γの肺転移抑制効果にはマウス腎腺癌の増殖抑制効果とtype IV collagenolysis抑制効果とが関与していることが推測された。
2)血管新生阻害剤fumagilin誘導体(TNP-470)によるマウス腎腺癌の実験的肺転移抑制を検討した。TNP-470はマウス腎腺癌の皮下移植腫瘍の増殖および肺高転移株のDNA合成をいづれも抑制したが、肺高転移株による実験的肺転移は抑制しなかった。肺高転移株が肺転移巣を形成する初期の段落では血管新生の関与は低いことが推測された。
3)tetracyline(単独、IFN-γ併用)を用いた腎細胞癌の転移予防効果の臨床的検討では現在まで70例が集積されている。これまでの結果では、tetracycline投与が転移出現抑制に明らかに寄与している結果は得られていないが、多くの症例の観察期間が2年に満たないため、さらに観察が必要と思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Masumori,N.,et al.: "Inhibitory effect on minocycline on in vitro invasion and experimental metastasis of mouse renal adenocarcinoma" Journal of Urology. 151. 1400-1404 (1994)

  • [文献書誌] Yanase,M.,et al.: "Cytokines modulate in vitro invasiveness of renal cell carcinoma cells through action on the process of cell attachment to endothelia cells" Journal of Urology. 153. 844-848 (1995)

  • [文献書誌] Masumori,N.,et al.: "Interferon-gamma and interleukin-2 suppress experimental metastasis of mouse renal adenocarcinoma" International Journal of Urology. 2(in press). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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