研究分担者 |
田崎 寛 慶應義塾大学, 医学部・泌尿器科, 教授 (90051268)
中島 淳 慶應義塾大学, 医学部・泌尿器科, 助手 (10167546)
吉岡 邦彦 慶應義塾大学, 医学部・泌尿器科, 助手 (60220589)
宮川 治美 慶應義塾大学, 医学部・泌尿器科, 助手 (40239356)
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研究概要 |
膀胱癌の悪性度・浸潤性の判定基準としてフローサイトメトリーを使用したDNA/bromodeoxyuridine(BrdU)二重解析を行った。High-grade.high-stageの腫瘍においては,DNA aneuploid,BrdU標識率の高値が認められた。これら膀胱癌のBrdU標識率と症例の予後とを比較すると,高BrdU標識腫瘍において予後の著しい低下が示された。そこで,病理組織学的因子を中心とした他の膀胱癌予後規定因子を含め,多変量解析により予後に対する重みの検討を行うと,BrdU標識率は腫瘍悪性度,組織学的腫瘍深達度につぐ予後規定因子となりえることが判明した(J.Urol.,149:739-743,1993)。そこで組織学的腫瘍悪性度およびBrdU標識状態によりこれら因子の予後に与える影響をスコアに表し,膀胱癌のスコアリングを試みた。このスコアにより膀胱癌の予後を良好に判定し得る可能性が示された(Int.J.Urol.,印刷中)。これらの結果は膀胱癌の客観的浸潤性判定がこれらフローサイトメトリーを中心とした方法により可能となることを示すものと考えられた。
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