研究概要 |
膀胱癌の悪性度・浸潤性の判定基準としてフローサイトメトリーを使用したDNA/bromodeoxy-uridine(BrdU)二重解析を行った。high-grade,high-stageの腫瘍においてはDNA aneuploid,BrdU標識率の高値が認められた。これら膀胱癌のBrdU標識率と症例の予後とを比較すると高BrdU標識腫瘍において予後の著しい低下が示された。そこで病理組織学的腫瘍悪性度およびBrdU標識状態によるこれら因子の予後に与える影響をスコア化し、膀胱癌のスコアリングを試みたところ高いスコアを示す膀胱癌症例の予後は不良であり、この方法が膀胱癌予後因子として臨床応用可能であることが示された。(Int.J.Urol.,1:37-42,1995) これらの結果は膀胱癌の客観的浸潤性判定がこれらフローサイトメトリーを中心とした方法により可能となることを示すものと考えられた。
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