I)本装置の開発:今年は周波数可変型2CHインピダンス測定装置を犬の実験用に開発する。発振器による発振周波数の範囲は5KHZ-300KHZとする。定電流値は0.5mA(P-P)〜5mA(P-P)の範囲で可変できる装置である。 II)本装置を使用した実験計画:対象は体重約15kgの雄の雑種成犬を用いて静脈麻酔下で行った。下複部への測定電極は半円状・帯状のものを使用した。ヨコ方式は半円状電極で膀胱を横から囲むように装着し、タテ方式は帯状電極で膀胱をタテ方向にかこむように装着して行った。4電極方式を用い、2CHのインピダンス変化(Zo)を同時に測定する。△Zの感度および直線性の測定と同時に膀胱内圧とECGの測定も行い、プリンターとレコーダーで波形を観察し記録した。前腕皮静脈よりリンゲル液を点滴注入し、膀胱に貯尿する経過と自然排尿におけるインピダンスの変化を測定し、経過を観察した。 III)研究成果: 1)感度(ゲイン)はヨコ方式の方が大きいが、300KHZではその差がなかった。 2)周波数可変の特性ではタテ方式の方が注入/排出ともに周波数の影響をあまりうけなかった。 3)周波数が高くなるとヒステリシスの影響が少なくなる傾向にあった。 4)△Z(呼吸変動分)抵抗変化量に関しては、周波数が大きいほど呼吸波形の振巾の変化が大きくなった。 5)自然排尿時では、膀胱内の充満とともにZoと呼吸変動分△Zが小さくなった。膀胱内圧は高くなり、排尿開始時に一致して、圧は急激に高くなった。排尿開始と同時にZoと△Zはもとの状態近くにもどった。
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