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1993 年度 実績報告書

細胞内伝達機構からみた妊娠中毒症の発症と病態-その分子生物学的解析-

研究課題

研究課題/領域番号 04454419
研究機関神戸大学

研究代表者

望月 眞人  神戸大学, 医学部, 教授 (80030922)

研究分担者 山崎 峰夫  神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (00220301)
出口 正喜  神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (70163938)
丸尾 猛  神戸大学, 医学部, 講師 (60135811)
森川 肇  神戸大学, 医学部, 助教授 (30030894)
キーワードエンドセリン-1(ET-1) / 血小板活性化因子(PAF) / 妊娠高血圧症(PIH) / 血管内皮細胞 / エストラジオール / プレゲステロン / PAF-AH
研究概要

1.妊娠高血圧症(PIH)妊婦におけるエンドセリン-1(ET-1)分泌動態の検討:正常妊婦に比べPIH妊婦のET-1の血中濃度は有意に高く、なかでも重症例は軽症例に比べても高いことが判明した.また、正常およびPIH妊婦の血圧と血中ET-1濃度との間には有意の正相関が認められた.これらのことよりET-1はPIHの病態に関与しているものと考えられた.PIHにおけるET-1の分泌動態につき、性ステロイドに着目し、臍帯血管内皮細胞培養系を用いたin vitro実験系により検討した.すなわち、estradiolは培養液中のET-1産生量を減少させたのに対し、progesteroneは増加させた.両ステロイドの混合添加では、estradiolとprogesteroneのバランスがprogesteroneに傾いた場合培養液中のET-1産生量が増加することが判明した.ところで、正常妊婦血中estradiol濃度はPIH妊婦に比し有意に高く、progesterone濃度はPIH妊婦より低値であった.これらの成績は、PIH妊婦における性ステロイド動態がET-1の分泌動態に変化をもたらす因子の一つであることを示唆するものである.2.妊娠高血圧症(PIH)妊婦における血小板活性化因子(PIH)分泌動態の検討:正常非妊婦に比べ正常妊婦の血中PAF濃度は有意に低く、PIH妊婦のそれは正常妊婦に比べ有意に高かった.なかでも重症例は軽症例に比べても高いことが判明した.また、PAFの代謝調節因子である血中PAF-AH活性は正常非妊婦と正常妊婦との間には有意差はなかったのに対し、重症PIH妊婦では正常妊婦より低値を示した.血中PAF濃度と血中PAF-AH活性との間にはPIH妊婦においてのみ有意の正相関が認められた.つまり、PIH妊婦においては特に重症型では何らかの理由で低下した血中PAF-AH活性が血中PAF濃度の上昇に寄与する可能性が考えられた.PAF動態と病態とのかかわりを検討すると、血中PAF濃度と血圧は重症PIH妊婦において有意の逆相関をさらに、血小板数とは正相関を示した.以上の成績よりPAFはむしろ重症PIHの病態の改善傾向に関与しているものと考えられた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 寺本憲司: "妊娠中毒症病態における血中血小板活性化因子(PAF)分泌動態の意義" 産婦人科の進歩. 46. 173-186 (1994)

  • [文献書誌] 太田岳人: "妊娠高血圧症妊婦におけるエンドセリン-1(ET-1)分泌動態" 産婦人科の進歩. 46. 187-195 (1994)

  • [文献書誌] 森川 肇: "胎盤を中心とした内分泌と糖脂質代謝" 産婦人科の世界. 45. 291-300 (1993)

  • [文献書誌] 森川 肇: "高脂血症の治療" 産婦人科の実際. 42. 869-875 (1993)

  • [文献書誌] 山崎峰夫: "妊娠中毒症の管理(Ca代謝からみた治療)" 腎と透析. 35. 747-751 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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