研究課題/領域番号 |
04454420
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
寺川 直樹 鳥取大学, 医学部, 教授 (90163906)
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研究分担者 |
原田 省 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (40218649)
見尾 保幸 鳥取大学, 医学部, 講師 (10135882)
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キーワード | 子宮内膜症 / 薬剤併用療法 / ダナゾール / GnRHアゴニスト / 腹腔鏡検査 |
研究概要 |
子宮内膜症患者に対する薬剤併用療法の有用性に関する臨床試験については、現在までに70症例(ダナゾール単独15例、GnRHアゴニスト単独29例、ダナゾール・GnRHアゴニスト併用26例)が登録され、6ヵ月間の治療が行われている。治療に先立って腹腔鏡診断が全例に行われ、R-AFS分類に基づいて内膜症病変がスコア化されたが、その点数は44±47(Mean±SD)であり、3群間において有意な偏りを認めなかった。6ヵ月間の治療がすでに終了し、腹腔鏡検査により治療効果の判定がなされた症例は、現時点において20例(ダナゾール単独5例、GnRHアゴニスト単独10例、ダナゾール・GnRHアゴニスト併用5例)存在した。効果判定の結果、内膜症病変の明らかな萎縮を認めた症例は、ダナゾール単独群において5例、GnRHアゴニスト単独群において4例、併用群では4例であった。一方、薬剤治療に抵抗して内腹症病変が進行した症例は、それぞれ、0例、2例、1例ずつ存在した。平成5年度内に本臨床試験を終え、評価可能な成績を得るためには、より多くの症例数の集績が不可欠と考えられる。 治療薬剤の内膜症に対する作用機序を明らかにするため、ダナゾールの卵巣ステロイドホルモン生合成に及ぼす影響の有無と、GnRHアゴニストの不垂体GnRH受容体に対する結合親和性を検討した。卵胞期のヒト卵巣ホモジネートを対象とした実験成績より、ダナゾールは17α-hydro×ylase、17,20-lyase、17β-HSDのいずれの酵素活性も阻害しないことが示された。ラット下垂体細胞膜のGnRH受容体濃度は22±35mol/mg蛋白であり、GnRH受容体に対するブセレリン、リュウプロライドならびにナファレリンの結合親和性(ED_<50>値)はほぼ同等であることが判明した。
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