研究課題/領域番号 |
04454422
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小柳 孝司 九州大学, 医学部, 助教授 (30136452)
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研究分担者 |
石田 清 九州大学, 医学部, 医員
堀本 直幹 九州大学, 医学部, 助手 (40243927)
佐藤 昌司 九州大学, 医学部, 助手 (00225947)
前田 博敬 九州大学, 医学部, 講師 (20199631)
中野 仁雄 九州大学, 医学部, 教授 (40038766)
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キーワード | ヒト胎児 / 胎児心拍数 / Beat-to-beat difference / 確率密度図 / age-related change |
研究概要 |
従来の胎児心拍数陣痛図にかわる、胎児心拍数の定量的記述法として、心拍数絶対値とそれの次の一拍への変化分を同時に表現する胎児心拍数確率密度図を開発し、これを用いて妊娠の進行に伴うヒト胎児心拍数変動を記述することを研究の目的とした。対象には、妊娠23週から妊娠40週までの正常ヒト胎児743例を用いた。胎児より得られる90-120分の心拍数情報を、パルス・ドプラ探触子を装着した心拍数陣痛計(TOITU,MT-333)を介して瞬時心拍数に変換した後、on-lineで逐次マイクロコンピュータに記録した。ついで、連続する2妊娠週数毎にデータセットを作製し、心拍数絶対値(FHR)とそれの次の一拍への変化分(DFHR)を1bpm単位として行と列に配し、対応する要素に累積度数を有するMatrixを求めた。さらに、これらのMatrixを全変動が1となるように基準化した後、等高線表示による心拍数変動の確率密度分布図を作製した。ここで、連続する2つの妊娠期間における確率密度分布図を用意し、片方からいま一方を引算して求められる確率密度分布図(差分確率密度図)を求め、両者の間の不一致率を算出した。これら差分確率密度図および不一致率から、当該妊娠期間における胎児心拍数変動の推移を記述した。それによると、妊娠29/30週と妊娠31/32週の間、および妊娠33/34週と妊娠35/36週の間に心拍数変動の変曲点が認められることが明らかとなり、生物学的に特性の異なる3つの心拍数制御機構の存在が示された。
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